悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年08月24日(火) 00時00分

サーチライトに「光害」と迷惑顔朝日新聞・

 夜空を見渡すと、天まで届く光の筋がグルグルと回転。そんなサーチライト(投光器)に対し、県内の天文家らから「天体観察に邪魔」などと苦情が出ている。一見きれいな光でも障害や不快感を引き起こすと「光害(ひかりがい)」となり、条例で規制に踏み込む自治体も全国で相次ぐ。だが、直接健康に害を及ぼしていないなどとして、県は条例による規制には慎重な姿勢だ。

 県環境首都推進室によると、県内の広告目的のサーチライトは計4カ所。すべて徳島市内のホテルだ。あるホテル関係者は「空室を知らせるためだが、遠くからでもわかるし、よく目立つ」。サーチライトは県屋外広告物条例の規制対象外。航空法は航空灯の類似灯下などを禁じるが、「空港の近くではないので支障はない」(国土交通省徳島空港事務所)という。

 飯泉嘉門知事あてに4月、ある男性から意見が寄せられた。「サーチライトは勝浦町や佐那河内村まで届く。無駄なエネルギーを浪費するより、美しい夜空の方がはるかに感動的だ」

 那賀川町の町科学センター研究員堀寿夫さん(36)によると、長時間露光が必要な星座の撮影では光の線が入り台無しになるという。「空気中の水蒸気にあたって光が散乱し、本来なら見える星が見えなくなる。なくしてほしい」。会員数約2900人の社団法人日本天文学会は昨年11月、環境省にサーチライト禁止の法制化を要望した。

 全国では規制する自治体もある。

 同省によると、都道府県レベルでは佐賀、熊本、大分、岡山の4県が規制条例を作った。いずれも「特定の対象物を照射する目的以外の目的で使用してはならない」と定め、知事が使用停止命令を出せる。命令違反には、5万円以下の罰金か過料だ。宮崎県は同様の条例の05年度施行を予定。茨城県は要綱を作り、使用自粛を求めている。

 県内でも7月の県議会本会議で問題視され、本田耕一議員(県民ネットワーク・夢)は「夜空は県民の共有財産との認識を持って欲しい」と規制を求めた。

 県は来年2月議会に生活環境保全条例(仮称)の提出を目指し、県環境審議会生活環境部会が条例案を話し合った。しかし、「(サーチライトは)あまり人の健康に関係ない」「ネオンサインとか、みんなかかわってくる」などの意見が出て、条例案に規制を盛り込まない方針でまとまった。「景観保全や都市計画の問題で、生活環境の保全とは違う」と同推進室。

 環境省は01年、「光害対策ガイドブック」を策定、全国の自治体に光害防止のノウハウなどを示した。しかし同省大気生活環境室は「地域ごとの事情に加え、まずは規制に向けた地域の意識が盛り上がらないと規制は難しい」という。

(8/24)

http://mytown.asahi.com/tokushima/news02.asp?kiji=4341