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2004年08月24日(火) 00時00分

院長『極めて初歩的ミス』 県足柄上病院で男性患者死亡 東京新聞

 「極めて初歩的な医療ミス」−。胃に入れるべき栄養剤注入用チューブを肺に挿入するという、あってはならないミスで男性入院患者(84)を死亡させた県立足柄上病院の堀口一弘院長は二十三日午後、病院で記者会見し、全面的に医療ミスを認めた。また、事故がいくつものチェックミスが重なって起きたことも明らかにした。

 堀口院長によると、誤挿入は今年四月から勤務している担当の男性研修医が、患者の胃にチューブを挿入した今月十九日正午すぎに起きた。

 午後零時半ごろ、病室担当の女性看護師がチューブのたわみに気付き、看護師二人で新しいチューブに換えたが、この際に胃ではなく、右肺にチューブの先が入ってしまったことに気付かなかった。看護師のうち一人は、勤務歴二十三年というベテランだった。

 同病院では二週間ごとに胃チューブを交換しており、鼻を通してチューブを挿入した際、空気を注入してエア音を聞くとともに、胃の内容物を吸引して胃にチューブの先端が届いているかを確認することになっている。今回は手はず通りに行ったが、胃液は確認できなかったという。

 また栄養剤などを注入した際、患者が呼吸困難な状態を示したため、研修医がエックス線検査を行ったが、血中の酸素濃度の低下を患者の持病の肺炎によるものと診断、誤挿入を見逃していた。この際、研修医は看護師がチューブを交換したことは、知らされていなかったという。

 主治医がエックス線写真でチューブが肺に誤挿入されていることに気付いたのは丸一日経過した翌二十日昼ごろ。チューブを抜いて酸素吸入、点滴を継続したが患者は同夜、死亡した。

 同病院ではチューブ交換は医師が行うが、たわみなどに気付いたときは看護師が交換することもあるという。度重なるミスに堀口院長は「早期にどこかで気付き、(チューブを)抜いていれば…」と無念さをにじませた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040824/lcl_____kgw_____001.shtml