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2004年08月24日(火) 13時48分

住基ネットで損害 杉並区が国と都を提訴産経新聞

住基ネットで損害 杉並区が国と都を提訴

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)に参加していない東京都杉並区が24日、参加を希望する住民だけのデータ送信を認めないのは法の下の平等に反し、約4470万円の損害を被ったとして、国と都に賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。住基ネットをめぐり、市区町村が国や都道府県を提訴するのは初めて。

 訴えによると、杉並区は昨年5月の個人情報保護関連5法成立を受け、横浜市と同様、住民全員の参加を前提に、希望者のデータだけ都に送信する「段階的参加」(横浜方式)を決めたが、国や都は認めなかった。

 杉並区は「国は横浜市を容認しながら、杉並区の参加は違法と告知するなど、都と共同し参加を妨害している」と主張。

 国と都への賠償請求対象として(1)住基ネット機器の賃貸料相当額約1171万円(2)区が住民の代わりに負担している住民票交付手数料相当額約585万円(3)横浜方式による参加で削減できた人件費やアルバイト報酬相当額約2415万円−などを挙げた。

 都に対しては、横浜方式にのっとって送信された住民のデータを受信する義務があることの確認も求めることにした。

 杉並区によると、昨年12月時点の参加希望者は住民の8割余の約42万7000人。

 横浜市は昨年4月、住基ネットの安全性を確認後、全員のデータを送信することで総務省と合意したが「安全性を確認できない」と依然、希望者だけにとどめている。

 総務省は「横浜市との合意は、昨年8月の住基ネット本格稼働までの一時的措置と認識している。横浜市も違法状態にあり、全員参加を求めている」と反論。都も「杉並区は法律にのっとり全員のデータを送信すべきだ」としている。

≪住基ネット訴訟の経過≫

 2002年8月1日 東京都杉並区の山田宏区長が住基ネットへの不参加表明

 5 住基ネット1次稼働

 10・11 山田区長が希望者だけ参加できるよう、住民基本台帳法改正を求める要望書を総務副大臣に提出

 16 片山虎之助総務相(当時)が中田宏横浜市長と会談、希望者のデータを先行送信する段階的参加について「全員参加が前提なら、時差が生じるのはあり得る」と発言

 03・4・9 横浜市が住基ネットの安全性を確認し、速やかに全員のデータを送信することで総務省などと合意

 5・30 都が不参加の杉並区などに是正勧告

 6・4 山田区長が横浜市と同様、希望者だけ参加させる方針を発表

 8・25 住基ネット本格稼働

 04・1・30 総務省が杉並区への回答で、全住民のデータ送信を要求

 2・20 山田区長が区議会に訴訟提起議案提出

 6・18 区議会が賛成多数で可決

 8・24 杉並区が国と都を提訴

(08/24 13:48)

http://www.sankei.co.jp/news/040824/sha061.htm