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2004年08月23日(月) 00時00分

牛タン瀕死 あえぐ店 長引く米国産禁輸朝日新聞・

  長引く米国産牛の輸入停止措置で、仙台名物の牛タンが瀕死(ひん・し)の危機にあえいでいる。国内で流通する7割以上を占めていた米国産が入らなくなり、価格はこの8カ月、高騰したままだ。牛タン店の中には閉店や休業に追い込まれたり、見切りをつけてラーメン屋などに切り替えたりするところも出てきた。      (牧 陽子)

  仙台市内の国道沿いにある牛タン店。シャッターは4月から降りたままだ。この店のオーナーだった男性は「原価が安い時の5倍にもつり上がっては採算が合わない。続けても傷を広げるだけだ」と肩を落とす。

  仙台牛タンの元祖とされ、牛タン定食のメニューにこだわる仙台市中心部の「旨味(うまみ)太助」も苦境は同じだ。佐野初男店長(60)は「店員にボーナスも出せない。このまま高値が続いたら商売をやめるか、メニューを替えるか。これからの日米交渉次第だ」と頭を悩ませる。

  牛タンは、国内産は流通量全体の4%にすぎず、ほとんどを輸入に頼ってきた。仙台牛タンの材料も、肉質が柔らかいなどの理由で多くの店が米国産を使っていた。

  仙台市や周辺の専門店と取引する商社カメイによると、昨年12月の禁輸前は1キロ800円程度だった卸相場は2500円まで上がった。牛タン店でも値上げが相次いだが、千円から1300円の定食を3倍にはできず、100〜数百円にとどめている。これまでに少なくとも8軒が休業・閉店したり、牛タンをメニューからなくしたりしたという。

  米国産牛をめぐる日米間協議は、国内の全頭検査から若齢牛をはずすことで決着を目指す動きがあるが、輸入再開の時期は依然、不透明だ。13日には、市民でつくる「仙台牛たん応援団」(宇田川聡男団長)らが、安全に輸入を再開できるよう日米協議の早期決着を求める要望書を、2万1千人分の署名とともに農水省に提出した。

  牛タンの卸業者の中には、新たに中国産を開拓する動きも出始めた。価格は豪州産の3分の1程度に抑えられるが、中国は口蹄(こう・てい)疫が発生している恐れがあるため、ゆでたものしか輸入できないという大きな制約もある。

  仙台市近郊にある「たまみ家」。店の屋根には「ラーメン」と書かれた大きな看板が目に付く。3月まで牛タン専門店だったが、BSE問題が長引くとみて急きょ、ラーメン店に替えた。斎藤正浩店長(36)は言う。

  「BSEにはまだまだ不明なところもある。ラーメンの方が将来が見えるから」(8/23)

http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=5636