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2004年08月18日(水) 00時00分

4大温泉地 明暗くっきり 虚偽表示 伊香保・水上にダメージ必至 東京新聞

 県内で相次いで発覚した温泉の虚偽表示が、四大温泉地の立場を分けた。一部の旅館・ホテルが水道水や地下水の沸かし湯だったことが判明した伊香保、水上温泉は今回のダメージで、さらに宿泊客が減ることを懸念。一方、豊富な湯量と泉質を誇る草津、四万温泉は「うちでは、あり得ないこと」と自信を見せる。利用者の温泉不信で個々の宿泊施設の情報公開は一気に加速しており、今後は温泉の給湯方式や加温、加水状況などでも選別は避けられない情勢だ。 (松井 稔)

 伊香保温泉は、五十六軒の旅館・ホテルのうち七軒が水道水などの加熱湯だったことが判明。また、四百年の歴史を誇る茶褐色の源泉「黄金の湯」から引湯したのが二十七軒に対し、一九九七年に伊香保町が新たに開発した源泉「白銀の湯」のみの施設も二十一軒あった=別表。

 「白銀の湯」は無色透明な冷泉で、「とても伊香保の湯とは言えない」との声も。さらに新源泉が導入される九七年以前には、「もっとたくさんの宿泊施設で温泉が入っていなかった」と関係者は打ち明ける。

 水上温泉でも旅館協同組合加盟三十軒のうち四軒が、水道水などを使用=別表。施設名が公表されていない組合加盟以外を含めると計八軒で温泉が未使用で、うち二軒は、客から入湯税を徴収していた。これには全国から批判が集まり、前町長の経営するホテルが詐欺容疑で告発されたほどだ。

 一方、源泉の自噴湧(ゆう)出量が日本一の草津温泉は、「湯が余って川に捨てているほどですから。しかも、町条例の規制で給湯方法は全施設で源泉掛け流しです」(草津町温泉課)。四万温泉協会は加盟の民宿二軒で温泉の未使用が判明したが、「最初から温泉旅館での営業ではなかった」と不問。宮崎信雄事務局長は「残りは、ほとんど源泉掛け流し。今月中に一覧表を公表しますよ」と胸を張る。

 両温泉が強調する源泉掛け流し(放流式)の湯は、ホンモノの温泉ブームで利用者が最も気に掛けているブランド表示。これに対し、同じ湯を何度も再利用する循環式は、湯船からレジオネラ菌が発生し死者が出たことあり、嫌う人も多い。

 相次ぐ偽装表示を受けて、県は県内九十四温泉地の全施設で給湯方法など七項目の実態調査を実施し、公表する。業界が戦々恐々と見守る中、さらに新たなニセモノが見つかるのか。最上級の100%源泉掛け流しや循環式の湯は、どのぐらいあるのか。全国の温泉ファンも注視している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/gnm/20040818/lcl_____gnm_____000.shtml