悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年08月18日(水) 00時00分

地家裁支部移転、最高裁が立川市に正式要請移転受け入れを要請するため、青木久市長(左)を訪ねた最高裁事務総局と法務省の幹部ら=立川市役所で朝日新聞・

 東京地家裁と東京地検の八王子支部の立川市への移転について、最高裁と法務省は17日、受け入れを市に正式要請した。最高裁は移転先を多摩都市モノレール高松駅北の立川基地跡地の一角の約1・5へクタールと発表。延べ床面積約1万2600平方メートルの現庁舎の倍程度の庁舎を新築し、08年度の完成を目指す。八王子市や弁護士会からは、手続きに疑問の声も上がっている。

 永井紀昭・東京地裁所長と小津博司・法務省官房長らは同日、立川市役所に青木久市長を訪ね、移転に協力を求める要請書を手渡した。立川市は「予定地は国の機関の移転街区なので問題ない。企業進出の呼び水になってほしい」と歓迎する。

 八王子市「無念」

 最高裁によると、八王子市中心部の都有地への移転を検討したが、都と条件が折り合わず、昨年2月、市内移転は困難と判断。立川市に働きかけたのは昨年9月という。

 八王子簡裁の存続には含みを残すが、地家裁機能全面移転の方針を明言した。八王子支部を残して立川市に新支部を置くよう要望した八王子市の田中正美助役は「地域の事情が理解されていない」と無念さをにじませる。

 商議所は反発

 八王子商工会議所も8月中旬、存続を求める要望書を最高裁に提出し、「地元住民への説明がないままの決定は、国の情報公開の原則に反する」と指摘した。

 一方、東京三弁護士会多摩支部も戸惑いを隠せない。98年に発足し、現八王子支部前に多摩弁護士会館を建てて6年。法律相談拡充のため、昨年7月、隣の土地約120平方メートルを約7千万円で購入した。7階建ての会館を増築する構想だった。

 弁護士会が移転情報をつかんだのは、土地の売買契約を結んだ直後。東京弁護士会多摩支部長の関戸勉弁護士は「それまでも情報はあったが、私的な場での不確実なものばかりだった」。購入した土地の利用について難しい判断を迫られる。

 弁護士会困惑

 弁護士会多摩支部の地域司法計画策定委員会は八王子支部の本庁化などを提言してきた。中心メンバーの杉井静子弁護士は移転に疑問を呈する。「身近な司法と言うなら場所も身近でないと。400万人近い住民がいるのだから、複数の支部を設けた方がよいのでは」

 立川では人口40万の町田市からも遠くなる。

 支部移転に絡み、最高裁から弁護士会側に正式に意見を求めたのは8月9日、それも即日回答を求められたという。

 杉井弁護士は「裁判所はただ引っ越すという感覚なのではないか。市民に広く意見を聞く姿勢が見えない」と批判する。

 弁護士会側は、弁護士も参加した協議会を設けるよう最高裁に要望している。(8/18)

http://mytown.asahi.com/tama/news01.asp?kiji=3512