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2004年08月14日(土) 20時23分

芦原温泉も井戸水 福井県、旅館2軒を立ち入り調査へ朝日新聞

 今年で開湯120周年を迎えた福井県あわら市の芦原(あわら)温泉で、2軒の旅館が井戸水をわかしているのに「温泉」をうたっていることがわかった。県は近く不当景品類及び不当表示防止法違反の疑いで、立ち入り調査する。芦原温泉は東尋坊などの景勝地に近く、昨年は関西など全国から約96万人の観光客が訪れた。

 2軒は、温泉の化学的性質を表す泉質を「単純泉」「ナトリウム泉」、効能を「リウマチ、胃腸病」などとして施設内やパンフレット、ホームページなどに掲示している。しかし取材に対し2軒とも実際は井戸水をわかしていることを認めている。

 1軒は約30年前に飲用に井戸を掘ったが、成分が飲用に適さなかったため浴場に引いたという。この旅館の社長は「成分は温泉に近いものだ」と説明している。

 もう1軒は、3年前に廃業した旅館業者から施設を引き継いだ。しかし泉源は裁判所から差し押さえを受けていて引き継げなかったという。このため井戸を掘って浴場に引いているが、「温泉」と表示している。

 一般に井戸水の場合、温泉法に定められた成分や温度を満たさないと、温泉には当たらない。県食品安全・衛生課は、2軒とも「温泉」として客を集めていたため、不当景品類及び不当表示防止法違反にあたる可能性があるとみている。

 一方、芦原温泉ではこれ以外に3軒の宿泊施設が、泉源から温泉を引いていながら、温泉法で義務づけられている保健所の利用許可を得ていないこともわかった。県は温泉法違反の疑いでこの3軒も近く立ち入り調査し、改善を指導する。

 3軒は「制度を知らなかった」などと弁明している。

 芦原温泉には約40の宿泊施設があるが、温泉の届けを出しているのは25施設。未届けの施設の多くは井戸水や水道水をわかしているとみられるが、県は「温泉」と表示していなければ問題はないとしている。(08/14 16:32)

http://www.asahi.com/national/update/0814/009.html