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2004年08月12日(木) 00時00分

温泉不祥事「うちは大丈夫?」朝日新聞・

 お隣の長野県や群馬県で、有名温泉が泉質をごまかすなどの不祥事が相次ぎ発覚した。県内も温泉どころ。同じような問題を抱えていないのか。温泉ファンだけでなく、施設を監督する県や各地の旅館組合も、関心を高めている。「新潟の温泉は大丈夫?」

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 温泉法に基づき、温泉施設を監督する県環境企画課は11日までに、検査を拡充する方針で対応策の検討に入った。当面は、環境省が行う予定のアンケートに協力するほか、出先の健康福祉事務所の担当職員から状況を聴く。今のところ他県のような例はなく、具体的な情報も寄せられていないという。

 同課によると、03年3月現在、県内にある源泉は505。これを利用している温泉施設は940ある。5年に1回のペースで巡回監視するほか、10年に1度は成分分析するよう指導している。

 ただ、水道水を使いながら温泉と不当表示していた伊香保温泉の問題を踏まえ、同課では「観光振興課や生活衛生課など複数の課が連携して対応することも視野に入れている」。

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 入浴剤を混ぜていた白骨温泉の騒ぎの「あおり」を受けたのは妙高村の秘湯・燕温泉だ。

 白骨と同様、真っ白な湯。客から度々本物かと指摘を受けるが、地元の旅館経営者は「うちの温泉は100%の源泉をもったいないくらい掛け流してます」と苦笑いだ。

 妙高高原町の赤倉温泉は、源泉を引く昔からの旅館など約70軒と沸かし湯などの宿泊施設約30軒とを明確に区別、観光ガイドでは温泉マークの有無で分けている。

 地元の観光協会は「温泉を入れる旅館とそうでないところで牽制(けんせい)し合っている面もあるので、悪いことは絶対できないはずです」。

 また、上越市の第三セクターが運営する「くわどり湯ったり村」では、管轄する市農林水産課が11日、実際に温泉をくみ上げていることを確認した。担当者は「水道水の方が経費削減になるのですが、温泉を売りにしているのでそれはできません。ましてこんな騒ぎがあったのだから…」。

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 日本海に沈む夕日を眺められると人気の村上市の瀬波温泉。瀬波温泉旅館協同組合の吉田雅博副理事長は「全国の温泉のイメージダウンにつながる行為ですよ」と不快感をあらわにする。

 「お宅の温泉は本物ですよね」と問い合わせがくるといい、「その都度、『大丈夫ですよ』と答えている。困った行為です」と吉田副理事長は困惑する。

 また、「美人になれる湯」として人気の新発田市の月岡温泉。「温泉を偽ったりしたらお客が逃げていきますよ」と、同温泉観光協会でも不快を持って受け止める。

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 ノーベル賞作家・川端康成ら、多くの文化人が滞在したことでも知られる湯沢町の湯沢温泉。毎年120万人を超す客が訪れる。

 町では「源泉を町が集中管理し配湯しているので、温泉を引いていない場所が『温泉』を語ることはありえない」(産業観光課)と自信を示し、調査は特段予定していない。

 同課の佐藤清美係長は、温泉客は温泉が100%源泉かどうかきめ細かな情報を求めているといい、「これを機会に、国は表示方法などを見直すべきだ」と話す。

 800年以上の歴史を持ち、「日本三大薬湯」の一つに数えられる松之山町の松之山温泉。温泉組合の樋口勇組合長は「ここは透明なので、色の心配はもとよりない」と言う。入浴剤を入れた白骨温泉については「湯に自信を持てなくなったのでは」とみている。
(8/12)

http://mytown.asahi.com/niigata/news02.asp?kiji=6375