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2004年08月11日(水) 15時23分

朝鮮中央テレビの映像、著作権料要求 各局対応分かれる朝日新聞

 北朝鮮が、日本国内での著作権管理に乗り出した。国際的な著作権保護を定めた「ベルヌ条約」に昨春加入したことなどを受け、平壌の朝鮮中央テレビ(KRT)が、ワイドショーなどで衛星放送の映像を断りなく使ってきた日本のテレビ局に著作権使用料の支払いの要求を突きつけた。ところが、日本政府・文化庁は「国交がない北朝鮮が条約に加入しても著作権は保護されない」と、支払う必要はないという立場。日朝交渉の行方が不透明な中、テレビ各局の対応も分かれている。

 拉致問題への関心が高まって以降、ワイドショーや情報番組では、金正日総書記などの映像が繰り返し流れるようになった。その多くは、平壌発の衛星放送から無断で使っているものだった。

 KRTはタイの衛星を使って国外に発信しており、日本の各局は衛星受信会社からの伝送を受け映像を利用できる。大リーグの試合など海外のテレビ映像を使う場合、普通は契約を結び使用料を払う仕組みだが、北朝鮮については、特別な行事の場合に各局がまとまってKRTと交渉するケースを除き、ふだんは政府見解などを盾に、事実上「使い放題」だった。

 一方、北朝鮮は昨年4月にベルヌ条約に加入。昨年暮れには、KRTと在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)幹部が平壌で協議し、「映像が反共和国宣伝に悪用されている」として、朝鮮総連を通じて権利保護を求めることになったという。

 朝鮮総連は首相再訪朝直前の5月中旬、各局の担当者を集め、映像「乱用」の中止や、著作権法で認められている報道目的での引用の範囲を超える分について、1分間500ドル前後を支払うよう要請。2月に設立した関連会社が番組を録画してチェックし、窓口になると通告した。

 朝鮮総連によると、これを受けてTBSは、6月1日付の確認書で「著作権を尊重し、報道引用を超える分は所定の使用料を支払う」と表明。NHK、テレビ東京も「配慮する」などとした文書を出したとされるが、両局とも取材に対しては、「原則として報道引用などの範囲内で使用する」とした。

 他方、フジテレビは「対応を検討中」とし、日本テレビは取材に答えなかった。KRT側はこの2局には、交渉に応じるよう文書で催促しているという。

 テレビ朝日は、朝鮮総連とは別にKRTの代理人になっている在日朝鮮人の会社と契約を結び、すでに使用料を支払うなどしている。

 文化庁によると「北朝鮮の著作物を保護する必要はない」との見解は、「未承認国家との間で条約上の権利義務関係は生じない」とする外務省の解釈に基づく。だが、朝鮮総連は「日本が万景峰号などに国際法の順守を求めた姿勢と矛盾する。国家の尊厳にかかわる問題」と反発している。(08/11 14:58)

http://www.asahi.com/national/update/0811/019.html