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2004年08月07日(土) 19時52分

産地偽装、「上司の指示で依頼」 荷主の元社員認める朝日新聞

 大阪市の第三セクター「大阪港埠頭(ふとう)ターミナル」による青果の産地偽装事件で、荷主の青果輸入販売会社「ローヤル」(本社・京都市)の元社員が6日、朝日新聞記者の取材に応じ、01年12月にトンガ産カボチャをメキシコ産に偽装して出荷するようターミナル社に指示したことを認めた。元社員は偽装の方法をファクスで送ったとし、「メキシコ産の箱を調達するよう頼んだ」と説明。偽装は「当時の上司から言われた」と明らかにした。偽装への荷主の関与を示す初めての当事者の証言で、荷主と荷役会社の両者で偽装した構図が明らかになった。

 この元社員はローヤルの野菜部にいたが、偽装が発覚する前に退社している。

 元社員によると、01年12月ごろ、上司に当たるローヤル広域営業部の社員から、ターミナル社の倉庫に保管中のトンガ産カボチャをメキシコ産として出荷するよう直接、口頭で言われた。理由は説明されなかった。

 元社員はメキシコ産が足りないため穴埋めするのだろうと理解し、「荷割(にわり)」と呼ばれる出荷指示書にトンガ産を出荷する指示を明記し、書面中に「メキシコ産の箱でお願いします」と書き加え、本社からターミナル社にファクスで送った。さらに後日、同社の担当者に「メキシコ産」と印刷した箱を買うよう頼んだという。

 トンガ産カボチャは500キロ入りの木箱で18トン分が荷揚げされていたが、「メキシコ産」と印刷された10キロ単位の段ボール箱に詰めかえられた。

 当時のトンガ産の卸売価格はメキシコ産より2割ほど安かった。商品はスーパーに出荷されたが、客から特にクレームはなかったという。

 元社員は「疑問を持たなかったわけではないが、会社幹部も承知していると考え、拒めなかった。今思えば馬鹿なことをしたと後悔している。偽装が問題化してから罪の意識にかられ、悩んでいた。消費者の皆さんに謝罪の気持ちを伝えたいと思った」と話した。

 ローヤルの中野塙是常務は「現時点ではコメントできない」と話している。(08/07 17:16)

http://www.asahi.com/national/update/0807/019.html