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2004年08月05日(木) 20時24分

不祥事続きのNHKに抗議殺到、電話やメール2千件読売新聞

 番組制作費の着服やカラ出張など、NHKの職員による不正が続々と明るみになっている。

 “公金”ともいえる受信料で成り立つ組織の不祥事だけに、視聴者の風当たりも強く、5日までに2000件を超える抗議の電話やメールが殺到、公共放送は大きく揺れている。

 芸能番組担当のチーフ・プロデューサーらが約4800万円を着服していたことが分かったのが7月20日。23日に海老沢勝二会長が会見で陳謝し、関係者の処分を発表したが、不祥事はそれだけにとどまらなかった。

 同27日には、編成局の2人のプロデューサーがカラ出張を繰り返し、計約300万円を受け取っていたことが発覚。8月2日には、岡山放送局の元放送部長が、96年から97年にかけて虚偽の飲食代金を請求して計約90万円を着服、懲戒免職となっていたことが分かった。

 さらに、ソウル支局で取材経費が不適切に経理処理されていたことが、4日発売の週刊誌「週刊新潮」で報じられ、NHKも認めた。現在の支局長が、同じ役職を務めていた93年から97年にかけて、韓国内の制作プロダクションに、制作費などを水増し請求させ、取材経費などに充てていた。NHK広報局によると、水増しの総額は明らかになっていないが、1か月当たり60—210万円だったという。私的流用はなかったとされ、報道局長の口頭による厳重注意にとどまっていた。

 当時は北朝鮮の金日成主席の死去や韓国の盧泰愚、全斗煥の前、元大統領の逮捕など、大きなニュースが相次ぎ、機密性の高い取材活動が求められた。情報源秘匿などのために、取材相手との飲食で領収書を受け取ることができず、適切な処理を怠った、というのがNHKの説明だ。

 いずれの不祥事も「私的流用がなかった」「全額弁済させた」という理由で、発覚当時は公表されなかった。元NHK政治部記者で、現在椙山女学園大の川崎泰資(やすし)教授は「一連の不祥事は以前から起きてきたものだが、ずっと隠ぺいされてきた。巨額の受信料収入の上にあぐらをかき、何をやっても大丈夫という空気がまん延していった結果ではないか。現在のNHKの体制が生んだ構造的な事件だ」と指摘する。

 一方、NHKの経営にかかわる最高の意思決定機関である「経営委員会」(須田寛委員長)は、7月20日の定例会で海老沢会長から最初に明らかになった着服について報告を受け、速やかに事実関係を究明し、適切な対応を取るよう求めた。その後も、不祥事が続出しているが、緊急に招集する予定はないという。同局は、「現在は内部調査を進めている段階。9月7日に予定される次回の経営委員会までに調査結果と対応策をまとめ、報告したい」としている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040805-00000511-yom-soci