悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年08月02日(月) 23時56分

直前の作文に「殺しても殺したりない」 佐世保小6事件朝日新聞

 長崎県佐世保市の大久保小学校で6年の御手洗怜美(みたらい・さとみ)さん(12)が切られて死亡した事件で、県教委は2日、事件の中間報告書を発表した。この中で、家裁送致された女児(11)が、事件直前の国語の授業で、ホラー小説の表現を引用したとみられる「お前を殺しても殺したりない」と作文に書いていたことや、この作文が中学生が殺し合う小説「バトル・ロワイアル」の自作版とともに、ランドセルの中から見つかったことを公表。女児が小説や映画の影響を受けて事件を起こした可能性がある、と指摘している。

 報告書は、県教委と市教委が6年担任の教諭(36)ら同校関係者17人から事情を聴いてまとめ、この日の県議会文教委員会で報告された。

 女児が作文で引用したと思われるのは、韓国のホラー映画を日本人作家が小説化した「ボイス」。特定の携帯電話番号を使った人が次々と残酷に殺される物語で、人を殺した女性が「一度だけでは殺し足りない。もう一回、地獄の苦しみを味わわせてやる」と叫ぶ場面がある。作文を見た学校関係者が類似性を指摘したという。

 作文とともにランドセルにあった「バトル・ロワイアル」の自作版は、級友との交換ノートに書いていた。物語の舞台となった島の地図や、6年の自分のクラスと同数の登場人物38人が持つ武器の名前も書かれていた。

 県教委は「残虐な映画や小説に影響を受けていたことは十分考えられる」との見解を示している。

 報告書には、教諭らから聞き取りした、事件直後の女児の発言の詳細も記された。保健室で着替えを手伝った教諭らに「左手で目隠しして、カッターナイフで切った」「死ぬまで待って、バレないように教室に戻った」「掲示板に悪口を書かれて殺そうと思った」と語った。

 「私、どうなるの」と今後の処遇を心配する発言もあったが、県警や救急隊の問いかけには冷静に答えていたという。

 また、報告書は、授業中に騒いだり、ガムをかんだりする児童がいるなど女児のクラスが荒れていた点も指摘。「落ち着きを欠いた学級の雰囲気が、子どもたちの心理状態を不安定にした可能性は十分に考えられる」とも述べている。

 報告書は26ページ。文部科学省にも提出。県教委は今後も学校関係者から事情聴取を進める。

 女児は現在、精神鑑定のための留置期間中で、専門医による鑑定書が14日までに提出される。その後審判が再開され、27日までに児童自立支援施設送致などの処遇が決まる予定だ。(08/02 23:33)

http://www.asahi.com/national/update/0802/033.html