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2004年07月30日(金) 03時05分

<リピーター医師>出産時ミスで主婦が提訴 訴訟4回目毎日新聞

 「出産時の処置ミスで長男(3)が重い後遺症を負った」として、東京都足立区の主婦(27)ら家族が28日、同区内の産婦人科医院と院長(79)を相手取り、約1億4000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。この院長は過去に3件の訴訟を起こされ、いずれも医院側がミスを認めて和解している「リピーター」医師で、今回の事故の責任を取り、今年4月末で分べんをやめている。
 訴状によると、主婦は01年5月、同医院で長男を帝王切開で出産した。仮死状態で生まれたのに、院長は1日近くたつまで長男を救急病院に転送させず、脳に障害を負わせた。3歳を過ぎても歩いたり、話すことができず、身体障害者2級と認定されている。主婦らは「帝王切開の時期が遅れたり、早期の転院を怠ったのが原因」として提訴した。
 同医院は96年に出産直後の処置ミスで男児に重い障害を負わせたり、97年に手術後の誤注射で主婦を死なせるなど3件の事故を起こし、裁判でいずれも医院側がミスを認めて約1億1000万〜約1000万円を支払い、和解している。
 院長は毎日新聞の取材に「過去3件もそうだが、結果が悪ければ医師の責任にされてしまうのは残念。国や医師会からは一切指導はないが、講習会には積極的に参加しており、能力が劣るとは思っていない」と話した。
 主婦や家族は院長がすでに3件の訴訟を起こされていたことを事故後、毎日新聞の記事で知った。主婦らは「3回もミスを繰り返しても医師を続けられ、その情報も国民に全く知らされない日本の医療を変えたい」と訴えている。【江刺正嘉】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040730-00000007-mai-soci