悪のニュース記事

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2004年07月27日(火) 00時00分

子どもを守ろう 浸透するネット (上) 親の知らない“聖域”広がる 東京新聞

 子どもたちの間にインターネットが急速に浸透している。このネット空間は生活を豊かにする半面、使い方やマナーを誤ればトラブルも引き起こす。六月に起きた長崎県佐世保市の小六女児同級生殺害事件ではネットが犯行に影響を与えたとされる。親も知らない子どものネット事情とは−。まず子どもに人気の「アバター」から考えた。 (岩岡 千景)

 佐世保の事件から三日後の六月四日。埼玉県朝霞市の市立朝霞第二小の四年生の学級でネットについて話し合った。

 「家でネットをしたことがあるひとーっ」

 担任の増田修治教諭(46)が尋ねると、手を挙げたのはクラスの半数の十六人に上った。

 日本PTA全国協議会が同月十六日発表した調査でも、小学五年生の八割近い家庭にパソコンがあり、携帯電話も含めたネット経験率は七割に達し、世間を驚かせた。

 増田教諭は「ネット経験者は高学年になるほど増え、六年でホームページを持つ子も数人いる。無料で作成できるサーバーを提供する事業者も増えているためだ。特に女児の方がネット遊びにハマりやすい」と話す。

 なぜ、女児なのか? その答えの一つが女の子を引きつけるサービスの存在だ。人気が高いのが画面上で理想の女性像を作ることができる着せ替え人形「アバター」。ネット上の「分身」という意味。佐世保事件の加害、被害の女児二人も作っていた。

 記者の職業柄、メールや情報検索などネット利用は欠かせないが、女の子が夢中になるアバターは多くの親と同様に知らずじまい。「佐世保事件の女児たちはネットに特別長(た)けた子に違いない」と思い込んでいたが、「やってみると簡単ですよ」と勧める増田教諭に教わり挑戦してみた。

    ◇

■簡単な会員登録、パスワードでガード

 まず大手事業者ヤフーのホームページを開き、会員登録する。メールアドレスや住所などのほか、「女・12歳・小学生」と入力しても登録できた。実際の年齢は三十歳代なのに何の証明もいらない。次に検索項目のアバターの部屋を選択すると、制作画面が現れた。

 その画面を見て、「これなら女の子がハマるはず」と思った。人形遊びのように顔や髪形などを自由に組み合わせていくが、愛らしい表情は小学四年のわが娘が好きな「モー娘。」風。服装や小物も普段、欲しがるような流行物ぞろいでおしゃれ心をくすぐる。一品選ぶごとに、無料から二百円程度の料金がかかる。

 支払いは子どもがお年玉などをためた自分の預金口座から引き落とすケースが多く、コンビニで支払える事業者もある。

 今度は「掲示板」の部屋に入り、「出会い」→「十代」と進むと、各自のアバターは投稿者のメッセージとともに登場する。掲示板には「メル友募集」などの少年少女に交じり、大人の男性の書き込みもちらほら。「本当に最後までヤれる『出会い系』サイトを…」といった子どもに見せたくない一文もあった。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20040727/ftu_____kur_____000.shtml