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2004年07月27日(火) 00時00分

最低賃金に29人挑戦、成功5人だけ 1ヶ月間6万5000円で生活 東京新聞

 「体重が落ちた」「いくら使えるのかと、お金のことばかり考えていた」−。千葉労連は二十六日、最低賃金で一カ月間生活できるか体験した実験の結果をまとめた。二十二歳から六十歳すぎまで二十九人が挑戦し、成功したのはわずか五人。「食べるだけならともかく、健康で文化的な生活は送れない」と訴えた。

 会見に出席した竹内明子さん(27)は昨年に続いて最低賃金生活に成功し、自分に課した「女性らしく毎日化粧する」というテーマも達成した。

 今年は実験方法の変更で一万五千円ほど生活費が増えたため、「遠距離恋愛の交際相手と別れた」という昨年より生活は楽だったという。しかし、「百円均一の化粧品を使い、肌が荒れた。最後はまゆをかくだけにした」と苦労を語った。

 今年が初挑戦の半田悦子さん(51)も「衣服の購入や教養、娯楽に充てる費用はゼロに抑え、食品も好みでなく安いものばかりを買って」、何とか乗り切った一人。ただ、「近所の葬式などで出費があり、夫に出してもらった。いつも通り夫と折半すれば、オーバーしました」と話す。

 このほかにも、千葉労連には挑戦者の苦労談が寄せられた。

 岡本大さん(29)は「体重は三キロ減った。買い物をめぐって妻とギスギスした」という。知人の不幸で見舞金を出した参加者は「なんでこんな時に死んでくれるんだと思ってしまった。そのことがつらかった」と自己嫌悪に陥っていたという。

 実験は、最低賃金での生活の苦しさを実証し、賃金の底上げを図るのが狙い。昨年に続いて二回目。最低賃金をもとに家賃相当額などを差し引いた約六万五千円で六月の一カ月間に生活した。

 参加二十九人のうち、十五人が最後まで家計簿を付け、うち五人が成功。脱落者は中高年の男性が目立ったという。千葉労連は今後、実験結果を報告書にまとめ、県最低賃金審議会に最低賃金の引き上げを求めていく。 (加藤 裕治)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/cba/20040727/lcl_____cba_____000.shtml