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2004年07月26日(月) 06時02分

上司が「中国産で使えるのはないんか」 大阪の産地偽装朝日新聞

 大阪市の第三セクター「大阪港埠頭(ふとう)ターミナル」による輸入ブロッコリーの産地偽装問題で、下請けに偽装を指示していた同社青果営業課の営業主任が、朝日新聞記者の取材に対し、上司の課長から「中国産で使えるのはないんか」と、偽装の手口を持ちかけられたと語った。課長については「上から言われたんやと思う」と話し、偽装工作への幹部の関与を示唆した。偽装が上層部の指示や承認のもとで行われていた疑いがある。偽装の指示に関する直接のやりとりが明らかになったのは初めて。

 営業主任の話によると、課長から持ちかけられたのは02年2月末で、大阪市港区の同ターミナル2階の事務所だったという。当時、下請けの包装・加工会社「オーエスサービス」が、傷んだ米国産を無傷の米国産と詰め替える作業をしていたが、詰め替え用の米国産が減っていた。

 このため、営業主任が課長と課長代理に「詰め替える米国産がなくなってきています。お客さんもどんどん取りに来ています。どうしましょう」と相談すると、課長は「中国は」と尋ねた。

 営業主任が「中国はあります。選別もしています」と答えると、課長は「中国産で使えるのはないんか」と持ちかけてきた。営業主任はこの言葉に従い、米国産の箱に中国産を混入する偽装を下請けに指示したという。

 営業主任は取材に対し、「課長も上から言われたんやと思います」と答え、当時の営業担当部長(すでに退職)の関与を示唆したが、根拠については明らかにしなかった。

 課長は25日、朝日新聞社の取材に対し、「対応は常務に一任しているので、取材には応じられない」と答えた。

 この偽装では部長、課長、課長代理、営業主任の4人が関与したとされ、同ターミナルは23日の記者会見で、課長と課長代理が部長にも相談したことを認めている。今後、具体的なやりとりや情報伝達の流れなどが、実態解明への焦点の一つとなりそうだ。

 同社は、ブロッコリーを偽装する約3カ月前にトンガ産のカボチャをメキシコ産として出荷しており、産地表示に関するモラルが基本的に低下していたことも背景にあるとみられる。(07/26 06:02)

http://www.asahi.com/national/update/0726/005.html