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2004年07月21日(水) 03時16分

<秘書検定>予備校が問題を事前入手 酷似の模試実施毎日新聞

 文部科学省所管の財団法人・実務技能検定協会(東京都新宿区)が実施する「秘書技能検定」の2級試験を巡り、資格取得予備校「エヌ・イー・エス・クイック教育システムズ」(同)が少なくとも01年以降、試験問題を事前に入手したうえで、本番の問題と酷似した模擬試験を実施していたことが分かった。また、模試会場では同校の講師が本番の解答を口頭で示唆していた。これまで、数千人の大学生らが同校の模試を受けていたとみられる。年間10万人近くが受験する同検定2級試験の信頼性が大きく揺らぐことになり、試験を実施している同協会も実態調査に乗り出す。

 企業や官庁の秘書としてのマナーなどを問う同検定の2級試験は、2、6、11月の年3回あり、試験直前になると、女子大などを中心に全国の多くの大学で対策講座が開講される。同校はこうした対策講座の実施を約20の大学や短大から請け負って講師を派遣。問題の模試は、この講座の会場で行われていた。

 複数の関係者によると、同検定は、大学や企業などが試験会場を設定して、学生や社員に集団で受験させる場合、会場となる大学や企業などに約10日前に試験問題が発送される。当然開封厳禁だが、同校はこの制度を使い、関係の深い大学や企業から試験問題を事前に入手。そのうえで、同校の講師がこの試験問題をもとに出題の形式や、設問や選択肢の固有名詞を一部変えただけの模試を作成。対策講座の最後に、実際に試験に出る部分をほのめかしていたという。

 毎日新聞は今年2月と6月に、同校が作成した模試の問題を入手。本番の試験内容と比較したところ、2月は35問中32問(91%)が、6月は35問中33問(94%)がそれぞれ酷似。同検定2級の平均合格率が51.8%のところ、同校の模試を受けた約20校の合格率は70%以上。96%が合格した大学もあった。

 毎日新聞の取材に対し、同校の家坂圭一社長は「模試が酷似しているのは過去の試験を分析した努力の結果。不正は絶対ないと思う」としている。しかし試験を実施する同協会は「これだけ模試と本番が偶然に一致することはありえない。事実関係を調査したい」としている。

【鵜塚健、立上修】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040721-00000156-mai-soci