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埼玉県桶川市で９９年、女子大生の猪野詩織さん（当時２１）が殺害された事件の捜査をめぐり、両親が県に約１億１０００万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審の口頭弁論が２１日、東京高裁で開かれ、刑事裁判で殺害の主犯格とされる被告に無期懲役を言い渡した昨年１２月のさいたま地裁判決の正本が証拠採用された。民事訴訟に使いたいと両親が求め続けてきたもので、６月に完成したという。
詩織さんの父親の猪野憲一さん（５４）は本人尋問で、「刑事裁判の判決では、事件よりかなり早い段階で殺害計画があったと認定されている。警察が動いていれば計画がすぐに分かったはずだ。なぜ早く救ってくれなかったのか、改めて怒りがわいた」と話した。
民事訴訟では一審・さいたま地裁が、０３年２月に５５０万円の賠償を県に命じたが、捜査の怠慢と殺害との間に因果関係を認めなかった。憲一さんは「私たちが何度もお願いしたのに、警察は助けてくれなかった。その責任について、裁判所にきちんと考えていただきたい」と訴えた。
この日で控訴審の証拠調べは終了し、次回１０月１８日に双方が主張をまとめた弁論を行い、結審する見通しだ。(07/21 23:24)