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2004年07月15日(木) 12時18分

<似顔絵訴訟>名誉棄損なしと小林よしのりさん逆転勝訴毎日新聞

 漫画家の小林よしのりさん(50)の作品「新ゴーマニズム宣言」を巡り、「自分の作品を『著作権侵害のドロボー本』と書かれるなどして名誉を傷つけられた」として、関西大講師の上杉聡さん(56)が約720万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が15日、最高裁第1小法廷であった。

 横尾和子裁判長は「小林さんの漫画は意見や論評の域を逸脱したものとは言えない」と名誉棄損を認めなかった。そのうえで、小林さんと漫画を掲載した雑誌の発行元「小学館」(東京都千代田区)に、250万円の支払いなどを命じた東京高裁判決(昨年7月)を破棄し、上杉さんの請求を棄却する逆転判決を言い渡した。小林さんの勝訴が確定した。

 上杉さんは97年、「ゴーマニズム宣言」の批判本を出版。この本に小林さんの漫画のカットを引用したところ、「著作権を侵害された」とする小林さんが漫画で「上杉ドロボー本」などと批判するとともに、泥棒姿の上杉さんの似顔絵などを描いたことが問題になった。

 「著作権侵害」など法律的な見解を表明した場合、「実際に違法行為を行った」という事実を指摘するものなのか、論評として許されるのかが争われた。小法廷は「法律的表現は、最終的に司法判断で決着するものであっても、意見や論評の表明と言える」と初判断を示した。

 そのうえで著作権侵害を「ドロボー」と表現したことの妥当性を検討し、「人身攻撃とまでは言えず、上杉さんも小林さんを著作で厳しく非難していた」として、「論評の範囲内」と結論づけた。【小林直】

 ▽小林よしのりさんの話 ドロボーの一言で訴えられていたら、言論で闘う場合にあらゆる言葉が訴えられてしまう。名誉棄損にならないとされて、ありがたい。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040715-00001058-mai-soci