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2004年07月15日(木) 11時47分

「ドロボー」は論評の範囲 小林よしのり氏が再逆転勝訴朝日新聞

 漫画家小林よしのり氏の「新ゴーマニズム宣言」で「ドロボー」などと書かれて名誉を傷つけられたとして、関西大講師の上杉聡氏が、小林氏と発行元の小学館に約720万円の損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は15日、名誉棄損の成立を認めて250万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた二審判決を破棄し、上杉氏の請求を退ける再逆転判決を言い渡した。

 上告審では、「ドロボー」などの記述が名誉棄損の前提となる「事実の摘示」か、真実性の証明が不要な「論評」かが争点となった。同小法廷は、「(盗作だなどとする)法的な見解の表明には、特定の事実の摘示を含む場合があることは否定できないが、判決で結論が示される事項だとしても、法的見解自体が事実の摘示とは言えない」とする初めての一般判断を示した。そのうえで、小林氏の表現は意見や論評で、互いに著作の中で批判し合っていた経緯から「人身攻撃に及ぶとまではいえない」と結論づけた。

 問題となったのは、雑誌「SAPIO」(小学館)97年11月26日号の漫画。上杉氏が従軍慰安婦問題などに対する小林氏の見解を批判する「脱ゴーマニズム宣言」という本を書いたところ、小林氏が同誌で反論。引用部分について「無断で盗んだ」などと表現した。

 上杉氏の著作を著作権侵害だと小林氏が訴えた別の訴訟では、漫画を引用したこと自体は適法としつつ、カット1点の配置変更を著作権侵害と認めて本の出版差し止めと慰謝料20万円の支払いを命じた判決が確定している。

(07/15 11:47)

http://www.asahi.com/national/update/0715/021.html