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2004年07月06日(火) 23時02分

世界最高水準のネットワーク社会からユビキタス社会実現へ - 情報通信白書MYCOM PC WEB

国内の情報通信の現状を総括する「情報通信白書」の平成16年版が公表された。今回、特集として取り上げられたのが「世界に拡がるユビキタスネットワーク社会の構築」で、その実現に向けた課題や経済に与える影響などについて分析が行われている。

情報通信白書では、国内のブロードバンドインフラについて世界最高水準の高速・低価格を実現している、と自賛。2004年2月時点で、xDSLは3,800万世帯、CATVが2,300万世帯、FTTHは1,806万世帯が利用可能になっており、2001年1月の「e-Japan戦略」で掲げられた目標は達成されている。実際の利用でも、ブロードバンド接続全体で約1,500万契約(2003年度末)に達し、1999年と比較すると70倍近くにも契約数はふくれあがっている。同じく利用人口は3,032万人、人口普及率は23.8%となり、そのうち1/3がブロードバンド接続になった。ただ、利用者数は増えているものの、利用可能世帯数に比べて実際の契約数は、xDSLで約30%、CATVで約11%、FTTHで約6%と、いまだ低い水準にあることも指摘されている。

利用料金は低価格化が進展。xDSL/CATVの料金を100kbpsあたりに換算すると、日本は0.09ドルとなり、韓国の約1/3、米国の約1/40という低価格で、世界でも最安の水準にあるそうだ(2003年7月時点)。世界30カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)において、通信速度10〜100Mbpsの範囲で月額利用料金を安い順に並べると、1位がYahoo!BBの12Mbps、2位がKDDIの100Mbpsなどとなり、上位10サービスのうち8つを国内サービスが占めるほどだった(2003年10月時点)。ユーザーの支払う月額料金は、最多が3,000〜4,000円未満で、平均では約4,200円だった。

同様に携帯電話を使ったインターネット接続も世界最高水準としており、2003年度末には全契約数8,152万契約のうち、携帯インターネットの契約数は6,973万契約にも達した。2003年9月末時点では、携帯電話利用者の89.5%が携帯インターネットを契約、世界でも最も高い比率だった。

ブロードバンドの普及に伴い、IP電話は7.3%の世帯、11.1%の企業で導入されていた(2003年末)。ホットスポットは2003年度末で5,350カ所となり、前年度比で約3倍となった。

インターネット接続全体でも、2003年末で利用人口が7,730万人、人口普及率が初めて6割を突破したように、大きく進展している。利用する端末もPCだけでなく携帯電話・PHS、ゲーム機、TVなど幅広くなっており、さらに利用場所も自宅・会社・学校といった複数の場所で利用されているほか、インターネットカフェや宿泊施設、駅・空港といったさまざまな場所で利用されるようになった。

昨年12月から東名阪の3大都市圏で開始された地上デジタル放送についても取り上げ、「放送のデジタル化により、これまでの受け身の視聴スタイルに加え、視聴者自らが能動的に働きかける視聴スタイルが実現する」と主張、30%が地上デジタル放送を見られるようにしたいと答えている点を引用して、期待は高い、としている。

さらに日本の強みについて、ディスプレイなどの出力技術、モバイル端末・情報家電などの端末技術、電子タグ・センサなどの入力技術を挙げる一方、セキュリティ技術や著作権管理技術といった、ソフトウェアも関連するミドルウェア技術で遅れをとっている、とした。

それでも、ブロードバンドインフラの整備とモバイル環境でのインターネット利用の普及、地上デジタル放送などに伴う情報家電の発展、IPv6への移行の進展などにより、ユビキタスネットワークが実現に向かいつつある、と指摘。調査でも、大切な人やモノ(家族、親、家、自動車)に危険が迫ったときに通知してくれたり、診療時間などの短縮、遠隔治療、自宅の監視、といった安心を与えるサービスや電子タグなどのユビキタスネットワークの利用意向が高いことを挙げる。

それらをふまえ白書は、「先導的な立場にある我が国には、ユビキタスネットワーク社会の構築に取り組むとともに、ユビキタスネットワーク社会のコンセプトを積極的に世界に発信することが期待されている」と述べる。

課題についても触れられており、「情報セキュリティの確保・個人情報の保護が最大の課題」と指摘するほか、「わかりやすさ・使いやすさ」「安心さ・安全さ」を挙げ、「利用者本位の観点で施策・実証実験などが展開されることが重要」と結論づける。

ただ、特に個人情報保護については、過半数の国民が関心を持っているにもかかわらず、対策を実施していない企業が約4割存在していた。ちなみに流出してほしくない個人情報は、「自宅の電話番号」「住所」「年収・財産」「自分の画像」「携帯電話の番号」といった順番に多かった。しかし、企業だけでなく個人も、6割近くが対策の必要性を感じつつ、何も対策を行っていない、と回答、「具体的な対策方法が分からない」ことをその理由に挙げる人が多く、教育・啓発活動の必要性をうかがわせた。

そのほかの課題としては、ウイルス・ワーム、個人や企業の自覚・責任、デジタルデバイド、標準化・実証実験といった項目が挙げられた。

なお、白書で言う「ユビキタスネットワーク」とは、一般的に言われる「ユビキタスコンピューティング」を含むより上位の概念とされており、新しい情報通信環境やその利活用環境を指す、日本独自の概念形成が行われている、としている。

上場企業のセキュリティ対策、いまだ低い水準に - 被害復旧コストは12億円
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/07/05/010.html

インターネット白書2004 - 世帯普及率52.1% P2P、セキュリティ被害にも言及
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/06/30/001.html

【レポート】
個人情報保護法完全施行まであとわずか「個人情報保護は経営陣の責任で」
http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2004/06/21/jpnic/

ウイルス対策ソフト導入していてもウイルス被害額は3,025億円 - IPAが試算
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/04/28/002.html

こんなに金を注ぎ込んだのに…セキュリティ対策の導入後も被害の実態判明
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/03/23/002.html

個人情報、企業は「利用したい」、しかしセキュリティ対策は「遅れ気味」
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/03/04/013.html

個人情報の漏えい防止へ、経産省が体制を整備 対処方針のガイドラインも
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/03/03/012.html

Webアプリの危険性の対応について、経産省が対応求める、業界団体に
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/08/12/18.html

個人情報漏えいに不安、対策は不十分 - セキュリティ意識調査が公開
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/07/09/15.html

中小企業のセキュリティ対策、実施率は低いが意識の高まり - 総務省調査
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/09/17/23.html

情報セキュリティ対策は日米で大きな格差 - 総務省のアンケート調査結果
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/05/09/21.html

総務省、情報通信白書を公開 キャッチアップからフロントランナーへ
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/07/04/19.html

情報通信白書
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm

総務省
http://www.soumu.go.jp/

(MYCOM PC WEB)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040707-00000097-myc-sci