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2004年07月04日(日) 00時00分

化学物質から赤ちゃん守る 千葉大に拠点朝日新聞・

  「環境ホルモン」など、微量で体に悪影響を与える恐れがある化学物質から、生まれてくる赤ちゃんを守ろうと、千葉大医学部に研究拠点が誕生した。各科の医師らが集まって横断的な調査研究を進めるだけでなく、成果を市民に正しく伝える専門家の育成を目指す。次世代の健康リスクを減らすため、情報発信のモデルケースを作る意気込みだ。

  森千里教授(環境生命医学)が代表を務める「次世代環境健康学プロジェクト」。新築された研究棟の一室で、5月に本格的に始動した。「胎児の複合汚染」(中公新書)などの著書がある森教授は、過去に新生児のへその緒からポリ塩化ビフェニール(PCB)などを検出。母親のおなかにいるときから胎児が化学物質を浴びている実態に、警鐘を鳴らしてきた。

  「子どもたちに、アレルギーや発達障害などが増えていますが、化学物質への感受性が高い胎児や新生児期の環境と、関係がないとは言い切れません」。成人には影響が表れないほど微量でも、胎児や子どもには悪影響があったり、大人になって障害が出てきたりする可能性がある。森教授は「警鐘をならすだけの時期は終わり、対策に取り組む時が来た。自力では予防できない次世代への、義務だと思います」と話す。

  プロジェクトには小児科や産科、耳鼻咽喉科、皮膚科などの臨床医学に免疫学、公衆衛生学、寄生虫学、発生学などの研究者が参加。化学物質の影響メカニズムの解明や、診断・予防・治療法の開発に取り組む。

  同時に、環境教育や予防医学の指導者を養成する。これまで環境ホルモンをテーマに回の市民講座を開いた経験から「中途半端な情報は不安をあおるだけ。有害物質の摂取をできるだけ減らすために、研究成果を社会に還元する必要性を痛感しました」。

  一般市民向けに正しい知識を伝える専門家の養成コースと、不安を抱える親たちへの医学的指導や精神的なフォローを担う「予防指導士」養成コースを準備。学内で試行を始めた。
7月中に、育てた人材を登録して教育現場などに派遣するNPO法人「次世代環境健康学センター」を設立予定だ。
(7/4)

http://mytown.asahi.com/chiba/news02.asp?kiji=4287