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2004年07月02日(金) 17時38分

個人情報もネットで購入、「小道具」に ネット詐欺団朝日新聞

 クレジットカード情報、銀行口座、私書箱……。インターネットオークションを悪用したブランド品の架空販売事件で、詐欺容疑で逮捕された容疑者6人が、他人の個人情報のほとんどをネットを通じて購入し、捜査の網から逃れようとしていたことが警視庁の調べで分かった。ネット上では、本来の所有者を装うことができるありとあらゆる「小道具」が売買されており、捜査当局は対策を迫られている。

 調べでは、リーダー格の高田昌宏容疑者(37)が運営するサイト「裏路地」の掲示板には、「架空や実在口座の販売」や「免許証を偽造」などとする書き込みが多数掲載されていた。高田容疑者らはネット上で仲間を募り、謀議を重ねていたとされるが、こうした「小道具」もネット上で入手したという。

 まず、クレジットカード所有者の個人情報200人分を1人当たり1万円で入手した。カード番号や有効期限のほか、住所、氏名、年齢などが分かる。これを悪用して所有者になりすまし、ネットの通信販売で約30社から約400万円分の商品を購入した。

 また、ネットオークションで高級腕時計など1100万円分を落札、カードの本来の所有者に代金を支払わせて商品を不正に入手した疑いも持たれている。

 さらに、このカード情報をもとに、ネットオークションで入札する際に必要となるIDを約500個作り、これもネットで売りさばいていた。

 代金の振込先や収益の管理には、20数人分の偽名、借名の銀行口座を使った。ネットで購入、落札した品物の配送先は、東京、静岡、福岡の私書箱だった。いずれも他人が開設したものをネットで購入していた。

 こうした手の込んだ手法を取った理由について容疑者の一人は「捜査の手が及ぶのを避けるため」と供述したという。

 ネット上では、個人情報にまつわるあらゆる物が売買されている。「通帳、キャッシュカード、印鑑3点セット、2万円」などと明示して堂々と偽名・借名口座を販売するサイトや、偽造の健康保険証、クレジットカードなどの売買、偽造方法を紹介するサイトが氾濫(はんらん)している。

 出会い系サイトの利用料金を架空請求したとして、今年1月に警視庁に逮捕された無職の男らは、振込先の18口座をネットで購入していた。偽造した他人名義の運転免許証を使って金融会社に融資を申し込んで金をだまし取り、有罪判決を受けた男は「インターネットのサイトを参考にして偽造した」と供述したという。

 こうした不正口座や偽造身分証がさまざまな犯罪の温床となっているとして捜査当局は今年、摘発の強化に乗り出した。警視庁は2月、転売目的で口座を開設する行為を詐欺とみなし、組織的に口座を売買していた電話代行会社「ふれあい友の会」の代表らを逮捕。大分、埼玉など各県警も、不正に口座を開設したとして容疑者を逮捕している。(07/02 17:38)

http://www.asahi.com/national/update/0702/024.html