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2004年07月01日(木) 03時09分

旧五菱会系ヤミ金の資金洗浄、有価証券でスイスへ読売新聞

 指定暴力団山口組旧五菱会系ヤミ金融グループによるマネー・ロンダリング事件で、香港に不正送金された約46億円の違法収益の大半は、約10種類の外貨建ての有価証券に替えられ、現物のままスイスに送られていたことが、警視庁の調べで30日わかった。

 一連の手法は、金融のプロで元クレディ・スイス(CS)香港行員道伝篤容疑者(41)が考案し、自ら実行していた。海外を舞台にしたブラックマネー洗浄の手口の全容が明らかになったのは初めて。警視庁では、スイスルート以外でも、同グループの違法収益が洗浄されたとみて、解明を進めている。

 東京地検は30日、道伝容疑者を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の罪で起訴した。

 調べによると、道伝容疑者は昨年2月上旬、知人の山根敬被告(39)を通じて知り合ったヤミ金融グループ最高責任者梶山進被告(54)から、「割引金融債を換金して、スイスに送金したい」と依頼された。その際、梶山被告は、道伝容疑者と山根被告の2人に送金額の5%を成功報酬として渡すことを約束。山根被告が同月中に梶山被告から少なくとも約1億7000万円を現金で受け取っていた。

 これを受けて道伝容疑者は、梶山被告とともに香港に渡り、同月14日にCS香港に梶山被告名義の口座を、同21日にはスイス・チューリヒのCS本店に梶山被告名義の口座と無記名口座の2口座を開設。3月5、6の両日、個人名が表に出ないよう銀行間の口座取引を使う方法で、日本から約46億円を香港の口座に送金した。

 その後、梶山被告の別の預金約5億円を合わせた計約51億円の資金を、5月14—23日の間に、13回に分けてCS本店に送っていたが、このうち現金での送金は、3回分計約11億円だけだったことが判明。残る10回分計約40億円は、ユーロやドルの外貨建て社債や株券など約10種類の有価証券を購入したうえで、証券の現物をCS本店に送っていた。警視庁では、手続きを複雑にすることで、関係機関のチェックを逃れようとしたとみている。

 調べに対し道伝容疑者は、一連の送金手続きについて、「違法な金かもしれないと思ったが、調べないまま送金した」と大筋で起訴事実を認め、「CS香港では年間数十億円のノルマがあり、厳しかった。CS香港を経由させてスイスに送金すれば、自分の実績も上がると考えた」などと供述している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040701-00000301-yom-soci