悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年07月01日(木) 22時29分

トップ会議で隠蔽決定、元社長らを起訴 三菱自欠陥事件朝日新聞

 三菱自動車製大型車のクラッチ系統の欠陥による死亡事故で、横浜地検は1日、元社長の河添克彦容疑者(67)ら元役員4人を業務上過失致死罪で起訴した。調べでは、00年に大量のクレーム(不具合情報)を隠していたことが発覚した際、同社は4人を含むトップ級の会議を開き、旧運輸省に対して98年3月以前の不具合情報を隠すことを決めた。検察側は当時、情報を開示して適切な処置を取っていれば死亡事故は避けられたと見ている。

 元社長のほか起訴されたのは社内組織「三菱ふそうトラック・バスカンパニー」元社長、村田有造(66)、同カンパニー元副社長、宇佐美隆(63)、「品質・技術本部」元副本部長、中神達郎(61)の各容疑者。横川文一・三菱自元副社長(66)と鈴木弘敏・同本部元本部長(65)については、同社が続けてきた違法なヤミ改修などについて認識が薄かったとして不起訴処分(起訴猶予)とした。

 起訴状によると、河添元社長らはクラッチ系統の欠陥についてリコールなど正規の改善措置を講じず、欠陥を放置した過失により、02年10月19日、山口県周南市の山陽自動車道で走行中の冷蔵車を制動不能状態に陥らせ、運転手を激突死させたとされる。

 調べでは、この欠陥は96年5月に報告されたが、三菱自は違法なヤミ改修で対応することを決めた。00年7月には、クレーム隠しが発覚、ヤミ改修が続けられなくなり、河添元社長が旧運輸省から重要な不具合情報をすべて報告するよう求められる事態となった。

 このため元社長らは7〜8月にかけてトップ級会議を開き「98年3月以前の不具合情報やヤミ改修についての資料はない」と虚偽の報告をすることを決め、クラッチ系統の欠陥も隠蔽(いんぺい)したという。

 河添元社長はクラッチ系統の欠陥そのものは知らなかったが、事故につながる重要な不具合の報告を受けた経験が複数回あった。このため地検は、河添元社長はこうした不具合を放置すれば、欠陥を原因とする死傷事故が起きることを容易に予見できる立場にあったと判断。不具合情報を隠せば死傷事故につながるおそれがあることを知りながら、関係部署に精査させることもなく、旧運輸省にうその報告をしたとみている。(07/01 22:11)

http://www.asahi.com/national/update/0701/032.html