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2004年07月01日(木) 12時18分

モジラ、オペラ、アップルらが提携--ActiveXに対抗する新技術開発へCNET Japan

 Microsoft以外のほぼすべてのソフトウェアメーカーが結集し、ウェブブラウザ内部でソフトウェアアプリケーションを動かす新たな方法を作り出そうとするプロジェクトを発足させた。

 このグループが焦点を当てるのはブラウザ用の「プラグイン」で、Internet Explorer(IE)以外のほとんどのブラウザで、Macromedia Flashなどのサードパーティ製プログラムを動かすための新しい方法を共同開発する。プラグインは、Internet Explorer上で同じタスクを処理するためにMicrosoftが開発したActiveXとは、異なる仕組みで動く技術だ。

 Mozilla Foundation、Opera Software、Apple Computer--いずれもブラウザのプロバイダだ--は6月30日(米国時間)、プラグインを開発するSun Microsystems、Adobe Systems、Macromediaと提携し、Microsoft以外のブラウザでのプラグインの動作方法の見直しを行なうことを明らかにした。

 現状では、Macromedia Flashなどの独立したアプリケーションは、ウェブブラウザのプラグインとして動作するようになっている。しかし、MicrosoftのIEブラウザでは、Active X技術を利用して、こうしたプラグインアプリケーションとウェブページのコンテンツとの間で、データのやり取りができるようになっている。Active Xは強力だが、これまでいろいろと物議をかもしてきた技術だ。

 これはどういうことかというと、たとえば音楽のウェブページでMicrosoftのWindows Media Playerをプラグインとして使い、そのべージにある楽曲リストを再生したり、FlashをベースにしたEコマース用の動画から、請求用ウェブページに合計金額を送信したり、といったことが可能になるということだ。

 Microsoft以外のブラウザでは、長い間、プラグインを実行するのにNPAPI(Netscape Plug-in Application Programming Interface)という方法が使われてきている。この方法では、FlashやAdobeのAcrobat PDFリーダーなどが、いったんプラグインとして起動されると、他のプログラムとの通信ができなくなってしまう。

 Mozilla Foundationは、Netscape CommunicationsがAmerica Online(AOL)に買収される前に行なっていたブラウザコードの開発を引き継いでいるオープンソース団体だ。AOLは昨年、Mozillaを非営利組織として独立させ、Microsoftとのブラウザ提携を再開している。

 「これは現在、MicrosoftのActive Xを使いたくない場合に、ユーザーが利用できない機能の1つとなっている。この問題はかなり前から存在するが、対応は困難になりそうなので、われわれは他社を集めて、Mozillaだけでなく他のブラウザやプラグイン開発元のためにも、この問題への対応に取り組むことにした」と、Mozilla Foundationで会長を務めるMitchell Bakerは説明している。

 Mozillaでは、DOM(Document Object Model)を利用して、NPAPIのアップデートを行う。World Wide Web Consortium ( W3C )の勧告の1つであるDOMは、JavaScriptなどのスクリプト言語がウェブページの要素に直接働きかけられるように設計されている。

 MicrosoftのActiveXは強力な同社独自の技術だが、セキュリティの点で問題があるとして、長い間非難を浴びてきている。Mozillaは、新しいNPAPIでセキュリティの問題解決に真っ先に取り組むと述べたが、ただしどのような方法をとるかについては明らかにしなかった。

 Bakerによると、Mozilla Foundationでは今後数週間のうちに、Mozillaコードべースのナイトリービルドへ新しいNPAPIを実装し始め、その後これをテストしていくという。新しいNPAPIは、プラグインを開発する各社がこれをサポートするまで利用できないが、この点に関してBakerは具体的なタイムフレームはいまのところ定まっていないとしている。

 スクリプトの愛好家は、今回の提携を歓迎している。

 「MozillaやOperaをはじめとする各者が協力する、というのは良い知らせだ。そして、ウェブがプラットフォームとして前進し、進歩を遂げるのを目にするのは、概してとても素晴らしいことだ」と、ハーバード大学ロースクールのBerkman Center for the Internet & SocietyのフェローであるDave Winerはコメントした。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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