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2004年06月30日(水) 23時30分

インターネット白書2004 - 世帯普及率52.1% P2P、セキュリティ被害にも言及MYCOM PC WEB

インプレスは29日、「インターネット白書2004」の発行にあわせ、インターネット協会副理事長・高橋徹氏、インプレス代表取締役社長・塚本慶一郎氏、同社インターネット生活研究所副所長・中島由弘氏らが出席する記者会見を行なった。同書は約400ページで、グラフ資料などが収録されたCD-ROMが付属。7月1日から7,140円で販売される。

○2004年がブロードバンドビジネス元年

今回発行されるインターネット白書2004は、第1部「日本のインターネット普及状況」において、インターネット利用者数が前回の5,645万3,000人から11.3%増の6,284万4,000人と発表している。年々その伸びが鈍化しているが、インターネットの世帯浸透率が78.1%に達し、特に世帯普及率に関しては52.1%と、初めて過半数を超えたという。

同書によれば、ブロードバンド利用世帯は48.1%。世帯数では前年比136.5%で、2002年度では約8割を占めていたナローバンドユーザーのうち、ほぼ3分の1がこの2年でブロードバンドに乗り換えるか新たに導入したことになる。また、インターネット非利用世帯も含めたブロードバンド利用率は25.06%で、インターネット導入の有無に関わらず、4軒に1軒がブロードバンドを利用していることになる。これを受けてインプレスでは、「2004年はブロードバンドビジネス元年になる」と明言した。

○P2P・ウィルス被害など、PC利用者の動向

「パソコン利用者動向」に関しては、世帯調査とは別にウェブアンケートで行なわれた。その結果では、主な接続回線として、2003年に引き続きADSLが65.3%と大部分を占めている。しかしながら、目立つのはFTTHの急伸で、4.7%から12.2%へと3倍近くに飛躍。反対にCATVは15.6%から14.5%と、初めて比率を下げた。

また、その是非について注目が集まっているP2Pアプリケーションだが、その存在を知っている人は17.6%、その中で、「以前は利用していたが、現在は利用していない」とするユーザーが16.0%から18.8%と増加しており、利用率は全体的に下がっている。これはP2Pアプリケーションの開発者が逮捕されたことや、Winnyを媒介として感染を広げるウイルス「W32.HLLW.Antinny」、個人情報の流出にユーザーが不安感を感じていることが反映されているとする。事実、セキュリティの不安からP2Pを利用しないと回答したユーザーは77.8%にも及ぶ。

迷惑行為への被害経験では、ウィルス被害がトップで、24.9%から48.2%に急増。個人情報漏洩に関する被害経験は、24.9%が「ある」と回答し、なおかつ、「わからない」と答えた人が31.5%となっている。中島氏はこれに関して、「最近の事件を受けてユーザーがナーバスになっている」との見方を示した。

○企業のセキュリティ被害経験が69.2%

「パソコン利用者動向」と同様にウェブアンケートで行なわれた「企業利用動向」では、なんらかのセキュリティ被害にあったと答える企業が69.2%に上った。その多く(36.6%)がウィルス感染があったと答え、企業・個人ともにウィルスによる被害がトップとなった。そのほか、「ワーム系悪質プログラムの被害にあった」と答えたのが28.1%、不正アクセスによるウィルス感染、進入、改ざん、サーバ停止などの被害を受けたと答えた企業もあった。これに則した形で、「取り組みたい技術やインフラ」では「ファイアウォール、アンチウィルスなどセキュリティ強化」と答えた企業が最も多く、47.1%と半数に近かった。

ただ、ECに関しては、同社が「2004年がブロードバンドビジネス元年」というように消費者側の受け皿が整ったとはいえ、「ウェブサイトの予算はない」と答える企業が50.3%と、事実上ネット運営を片手間と考える企業がまだまだ多いようだ。

○総務省とのデータに格差

今回も論点になったのは、インターネット白書と総務省とのデータ格差。例えば、インターネット白書がインターネット人口を6,284万4,000人(調査時期2004年2月)とするのに対し、総務省の通信利用動向調査は7,730万人(調査時期2004年1月)と、約1,500万人の差が出ている。この件について調査の担当者は、「総務省では調査方法を完全には公開していないため、比較することはできない」と慎重な姿勢を見せながらも、調査の対象とする地域、世帯数、年齢などに差があることを上げ、データが一致しない理由の一部とした。

世帯調査における調査方法・結果
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,インターネット白書 ,総務省 通信利用動向調査
調査方法 ,電話 ,郵送による調査票の配布・回収
サンプリング ,ランダム・ディジット・ダイヤリング,都市規模を層化基準とした
, ,層化二段無作為抽出
サンプル数 ,10万107世帯 ,6,400世帯
有効回答数 ,4万3,027サンプル ,3,354サンプル
対象 ,16歳以上 ,20歳以上
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,インターネット白書 ,総務省 通信利用動向調査
インターネット,6284万4000人 ,7730万人
利用者数 , ,
世帯普及率 ,52.1% ,88.1%
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また、同書には未掲載であるが、この日は年齢別のインターネット利用者数(携帯電話も含む)も発表された。それによると、全国1億2,700万人の人口のうち、0歳〜2歳の乳児を除く、3〜5歳が15万4,000人、6〜12歳が285万人、13〜15歳が216万1,340人、16〜19歳が535万4,996人ということだ。データとして記載しないことについては、「インターネット白書は、インターネット人口自体をきちんととらえることが目標。16歳以下の信頼性を取るのか、全体像を追うのかというときに、時系列で追っていくと、10代の数がぶれていく。そのため、当初の16歳以上という定義は変えずに今回は調査した」としたが、インターネットが子どもに及ぼす影響などが問題視されているを現状を考慮して、来年は項目に加える可能性もあると述べた。

取材画像はこちら
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/06/30/001.html

ボイジャーが新潮社、講談社、インプレスと資本提携 - 電子出版事業強化へ
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/06/07/004.html

総務省、情報通信白書を公開 キャッチアップからフロントランナーへ
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/07/04/19.html

インプレス
http://www.impress.co.jp/

インターネット協会
http://www.iajapan.org/

インターネット生活研究所
http://internet.impress.co.jp/iil/

(MYCOM PC WEB)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040701-00000095-myc-sci