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2004年06月30日(水) 01時28分

ベンツ49車種12万台リコール、ブレーキ部品に欠陥読売新聞

 独ダイムラー・クライスラーの日本法人「ダイムラー・クライスラー日本(DCJ)」は29日、メルセデス・ベンツの「A160」「E320」「S500L」など49車種計約12万1000台で、ブレーキ部品に欠陥があったとして、国土交通省に2件のリコール(回収、無償交換)を届け出た。

 DCJ社では昨年12月に、国交省から早急にリコールを届け出るよう指導を受けていたが、不具合発生の件数が計688件になるまで対策を講じていなかった。

 リコール届け出の遅れは、三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が三菱自動車から分社)の大型車の欠陥でも次々と明らかになったが、親会社のダイムラー・クライスラー社の乗用車でも表面化する形となった。

 リコール届け出が遅れたことについてDCJ社では、「対策部品などの開発に時間がかかったことについては大変申し訳なく思っている」としたが、国交省から指導を受けたことについては、「対策が決まるまでリコールを届け出るわけにはいかなかった」としている。

 2件の欠陥のうち、2002年5月以降に輸入されたE320などに搭載されている電子制御式ブレーキでは、コンピューターのプログラムが不適切なため、渋滞などで、発進と停止を頻繁に繰り返すと、ブレーキの利きが低下する恐れがあるという。

 この欠陥では、2002年6月以降、全国で計365件の不具合が発生しており、今年1月には東京都世田谷区内で追突による物損事故が起きていた。

 また、1997年4月から今年3月にかけて輸入されたA160やS500Lなどでは、ブレーキ部品のゴム製キャップの耐久性が不十分なため、ブレーキ液が漏れて利きが悪くなる恐れがある。この部品は、メルセデス・ベンツの主力車種のCクラスや、4輪駆動車のMクラスなどを除く、同社製乗用車のほぼ全車種に装着されていた。

 この欠陥では2000年4月以降、ブレーキ液の漏れなど、計323件の不具合が発生。うち226件は、実際にブレーキの利きが悪くなったとする苦情だった。事故はなかったという。

 一連の欠陥を巡ってはこれまでも、国交省などに苦情が寄せられていた。

 DCJ社では、ブレーキの利きが悪いなどのクレームがあったユーザーに対しては、ブレーキ部品を新品に交換するなどの措置を取っていたが、不具合が相次いで発生していたことについてはユーザーには説明していなかったという。リコール届け出を受けて、これまで新品部品に交換したケースでも、新たな対策部品を装着する必要がある。

 ◆ダイムラー・クライスラー=ドイツの高級車メーカー、ダイムラー・ベンツ社と、米大手のクライスラー社が1998年に合併。国内メーカーでは三菱自動車と提携、昨年1月には商用車部門の三菱ふそうを子会社化した。高級車の「メルセデス・ベンツ」や、日本にもなじみの深い「ジープ」などの代表ブランドを抱える。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040629-00000313-yom-soci