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2004年06月23日(水) 17時21分

平和の礎にハンセン病入所者ら刻銘 沖縄「慰霊の日」朝日新聞

 20万人を超える沖縄戦の全戦没者を悼む慰霊の日がまたやってきた。犠牲者を刻む記念碑「平和の礎(いしじ)」に、672人の名前が新たに刻まれた。ハンセン病施設の入所者、戦艦大和の乗組員……。「念願がかなった」と関係者は喜びをかみ締める。一方で、朝鮮半島から強制連行された従軍慰安婦の犠牲者の名は、いまだに刻銘されていない。

 「やっと先輩たちが浮かばれた」。国立ハンセン病療養所「沖縄愛楽園」(名護市)の自治会副会長の迎里竹志さん(71)は23日、入所者55人が追加刻銘された碑に花束をたむけた。

 44年7月。愛楽園では入所者たちによる横穴式防空壕(ごう)建設が始まった。つるはしやくわで硬い岩を掘った。手足の豆が破れるなど傷を負っても、ハンセン病のまひ症状で皮膚感覚はない。

 「壕づくりの傷の悪化やマラリアなどで274人の入所者が犠牲になった」と迎里さん。うち55人は、最近遺族が名乗り出た1人を除いて引き取り手が現れず、園の納骨堂で眠ったままだった。周囲の偏見に対する家族の恐れが遺骨の引き取りを阻んだ。「これが沖縄戦のもう一つの悲しい出来事です」

 今回、遺族以外に関係団体による申請も可能となり、刻銘が実現した。「療養所に閉じこめられて社会に帰れなかった人たちが復帰できた。多くの人にお参りしてもらえるだけで幸せだと思う」と迎里さんは言う。

 戦没区域も拡大され、南西諸島周辺が対象に加わった。沖縄に向かう途中で沈没した戦艦大和で犠牲になった乗組員も刻銘対象になった。各都道府県に知らせたところ、三重県から141人、島根県から36人のリストが届き、新たに刻銘された。(06/23 17:20)

http://www.asahi.com/national/update/0623/020.html