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2004年06月22日(火) 13時10分

「出生率1・29」発表2週間前に把握読売新聞

 政府は22日、2003年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が過去最低の1・29になるとの中間報告を5月24日にまとめた後、2週間以上公表しなかったことを明らかにした。

 山本孝史参院議員(民主)の質問主意書に対する答弁書で回答した。

 答弁書などによると、人口動態統計を取りまとめる厚生労働省人口動態・保健統計課長から、統計情報部長に中間報告をしたのは5月24日。その後は、「公表に向けて必要な検証や説明のための資料の作成をさらに行った」とした。

 6月9日夕には年金局長ら厚労省内の関係部署に説明されたが、坂口厚生労働相や厚生労働次官らに報告されたのは、出生率が新聞報道された6月10日になってからだった。厚労省は新聞報道を受けて、6月10日に統計結果を発表した。

 出生率の発表時期をめぐっては、政府が年金改革関連法の国会審議に影響が出ることを懸念して、6月5日の同法成立後に公表したのではないのかとの指摘が出ている。6月3日の参院厚生労働委員会では、山本議員が出生率を早期に公表するよう求めたが、坂口厚労相は「急ぐように指示している」と述べ、数字は公表しなかった。

 先に成立した年金改革関連法は、合計特殊出生率が2007年に1・306で底を打つとの将来人口推計を前提に、給付や負担などの財政見通しを計算している。1・29という実績値は、すでに2003年の推計値(1・32)を下回っており、今後の年金財政の見通しに狂いが生じる可能性もある。

 山本議員は、「重要な情報を隠して、年金を信じて下さいと言われても、国民は信じられない。もっとまじめに取り組むべきだ」と批判している。

 これに関連して、坂口厚労相は22日の閣議後の記者会見で、「今回は(厚労相への)中間報告もなかった。反省として、国会の状況がどうであろうと早く示すことが大事だった」と述べ、発表が遅れたことに不快感を示した。

 厚労省は毎年6月に前年の合計特殊出生率などをまとめた人口動態統計を公表しており、昨年は6月5日、一昨年は6月7日に発表していた。

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040622it03.htm