悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年06月21日(月) 00時00分

三菱自欠陥隠し、ヤミ改修は1割未満 危険放置、出火の例も 東京新聞

 三菱自動車製乗用車の欠陥隠し問題で、同社がリコール(無料の回収・修理)に該当すると発表した欠陥二十六件中、国土交通省に内密に修理したヤミ改修の実施率が、全対象台数の一割にも満たないことが分かった。乗用車の安全に直結する欠陥を隠したうえ、ヤミ改修すら行わず、欠陥車を放置してきた同社の体質があらためて浮き彫りになった。 

 二十六件のヤミ改修は一九九三−九七年に各販売店に指示された。他社のリコール隠しが発覚した九七年十月、三菱自はヤミ改修指示文書の返還や廃棄を販売店に求め、証拠書類をすべて処分していた。

 しかし、先月以降の社内調査で、各販売店がヤミ改修の修理費用を本社に請求した資料が残っていることが判明。これをもとに二十六件の欠陥部品が新品に交換された割合を計算した。

 その結果、二十六件のうち、対象台数の六割以上で欠陥部品が修理されたのはパトカー用の二件だけ。全対象台数約十五万六千台の八割以上にあたる十一件、計約十三万九百台は交換率が一割未満で、うち三件は1%にも届かなかった。

 点検整備だけで部品交換しないなど改修費を請求しないケースは含まれておらず、実際の実施率はもっと高いとみられるが、部品交換したヤミ改修の実施率は、平均6・76%にすぎなかった。

 二十六件のうち、九六年に神奈川県で車両火災があったことが販売店の資料で分かっている。エンジン火災の恐れがある九五年式デリカだったが、出火した車両はヤミ改修を受けていなかった。

 同社のヤミ改修には車検や定期点検時だけでなく、理由をつけて顧客を販売店に呼び出し、こっそりと修理する方法もあったが、徹底されていなかったとみられる。

 リコールに該当する欠陥のヤミ改修は、道路運送車両法違反になる。三菱自から分社した三菱ふそうトラック・バスの場合、リコールに該当するヤミ改修は十三件だが、販売店に実施報告を求めないなどしたため、トラックやバスの実施率は今のところ不明だ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040621/mng_____sya_____005.shtml