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2004年06月21日(月) 03時08分

八戸の病院、患者の病状・病歴をHPで無断公開読売新聞

 青森県八戸市立市民病院(三浦一章院長、609床)が心臓疾患の手術を受けた患者の病状や既往歴、心臓を撮影したエックス線写真などの診療情報を、2001年3月から患者の同意書を得ないまま同病院のホームページ(HP)上に公開していたことが20日、分かった。

 病院側は「プライバシー保護の観点から問題があった」として、今月13日に掲載をやめた。今後、該当する患者に謝罪するという。

 病院によると、HPには循環器科の医師が「医療関係者向けの教育・研究目的」として、2000年から2003年までに手術を受けた53人の診療情報を掲載。このうち18人からは「医師が口頭で説明し、同意を得た」としているが、書面での同意は1人もなかった。氏名のイニシャルや性別、年齢のほか、検査・治療年月日、具体的な疾患部位、病状などが書き込まれていた。

 三浦院長は「掲載内容から本人を特定するのは難しいと思うが、プライバシーの保護上、書面で同意を得るべきだった。配慮が足りず、おわびしたい」としている。

 日大医学部の大道久教授(医療管理学)は「不特定多数の人が見られる病院のHPで公開したことは、医学研究というより、広報目的の意味合いが強いのではないか。公益よりも患者が特定された場合の不利益の方が大きくて問題だ」と指摘。医療問題に詳しい鈴木利広弁護士は「地域の人が見れば、個人が特定される恐れがあり、患者の同意を得るべきだった。倫理的にも問題がある」と話している。

 一方、日本医師会などによると、症例を学会などで報告する場合についても、患者の同意に関するルール作りは行われてこなかったという。日本医師会は「今後、何らかの申し合わせを考えなければならない」としている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040621-00000301-yom-soci