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2004年06月15日(火) 11時22分

テレ朝のダイオキシン報道訴訟が和解へ 東京高裁朝日新聞

 埼玉県所沢市産の野菜がダイオキシンに汚染されているとテレビ番組「ニュースステーション」で報道され、野菜価格が急落したとして、同市の農家がテレビ朝日に損害賠償と謝罪を求めた訴訟は、差し戻し後の東京高裁で16日にも和解が成立する見通しとなった。関係者が明らかにした。

 同日午後、和解協議があり、最終的な調整が図られる。内容は明らかにされていないが、テレ朝側が何らかの形で責任を認め、金銭を支払う内容とみられる。

 この訴訟は一、二審でテレビ朝日側が勝訴したが、最高裁第一小法廷は昨年10月、放送内容が名誉棄損にあたるかどうかについて「一般の人の視聴の仕方を基準に、放送全体から受ける印象なども総合的に考えて判断すべきだ」とする基準を初めて示した。

 そのうえで、「今回の放送内容が真実だったとは証明されていない」と指摘。農家側の請求を退けた二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻す実質的なテレ朝側敗訴の判決を言い渡していた。

 当初は農家376人が原告に名を連ね、総額約2億円の損害賠償などを請求。二審判決の時点では41人に減り、上告審では29人が1人あたり20万円の慰謝料と野菜が売れなくなった分などの損害の計約2600万円の支払いを求めていた。

 この問題では、テレ朝が99年2月、環境総合研究所(東京都品川区)の実験で所沢市産の「野菜」から1グラムあたり0.64〜3.80ピコグラム(ピコは1兆分の1)の高濃度ダイオキシンが検出されたと報道。直後から所沢産のホウレンソウの販売をやめるスーパーが続出し、野菜の価格が半値以下に急落した。

 テレ朝はその後、3.80ピコグラムを検出したのは煎茶(せんちゃ)だったと認め謝罪したが、農家側は、放送で損害を受けたとして、テレ朝などを提訴した。

(06/15 11:10)

http://www.asahi.com/national/update/0615/009.html