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2004年06月13日(日) 12時07分

エイズの無料匿名検査、病院でも…検査目的献血排除へ読売新聞

 エイズ患者・感染者の増加が続いていることを受け、厚生労働省は、来年度から無料・匿名で受けられる公的な検査態勢を大幅に拡大し、危険性が指摘される検査目的献血の排除に乗り出す方針を固めた。

 保健所などに加え、医療機関でも無料匿名検査を受けられるようにする。検査窓口が少ないことが、感染を早期発見する機会を狭めているだけでなく、検査目的献血を増やしていると、かねて問題になっていた。

 昨年は過去最多となる976人の患者・感染者が報告され、感染に気付くのが遅れた患者の死亡が相次いだことも明らかになった。しかし、保健所などの検査は、多くの場合、受け付けが週1回で2時間程度に限定されるなど、利用しにくさが以前から指摘されている。このため、街頭での献血に検査目的で行く人が後を絶たず、検査窓口の拡大が急務とされていた。

 病院など一般医療機関が無料匿名検査を実施することは、カルテ作成や保険などの手続き上難しい。そこで、厚労省は日本赤十字社が医療機関に委託する形で、検査する枠組みを作る。

 新制度では、医療機関での検査を希望する人は、まず献血会場に行き、問診で事情を説明。委託先の医療機関への紹介状をもらい、それを持参して無料匿名検査を受ける。検査に保険証は不要だ。1人約7000円の検査費用は、同省が日赤に補助金を支出する形で負担し、日赤が委託先に支払う。来年度は2億数千万円の予算を見込み、北海道、東京、大阪の3地域でモデル事業を行う。順調に運用できれば全国に拡大する。

 献血の検査でエイズウイルス(HIV)感染が判明しても通知しないのが原則だが、実際には、感染者の健康管理の観点から知らせる場合もあり、検査目的の献血者が絶えない要因と言われてきた。対策として同省では、検査窓口を拡大した地域では、献血で感染が判明しても、本人に一切通知しない方針を徹底する。

 エイズ問題に対する社会的な関心が低下する中、公的な無料匿名検査の利用者は、1992年の約13万5000人を頂点に減少し、最近は年間5—7万人程度にとどまっている。一方、献血の検査で感染が判明した人は、92年の34人から昨年は87人に増加した。感染直後に献血されると検査をすり抜けることがあり、昨年末には、輸血を受けた患者がHIVに感染する事故も起きている。

 ◆無料匿名検査=保健所では、エイズウイルス(HIV)に反応して人体が作る免疫物質(抗体)の有無を調べる方法が主流。ただ、血液中に抗体が出現するまでに時間差があり、感染後約2か月は検出できない。感染の不安を感じる人は、一度だけでなく、繰り返し検査を受けることが望ましい。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040613-00000003-yom-soci