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2004年06月13日(日) 08時44分

三菱自、「ヤミ改修」さえ骨抜き読売新聞

 三菱自動車製大型車のクラッチ部品の欠陥を巡る事件で、品質保証部門の実務担当者が、神奈川、山口両県警の共同特捜本部の調べに対し、「ヤミ改修」の実態について「ユーザーの理解が得られないと判断され、実際にはほとんど行われなかった」と供述していることが12日、わかった。

 欠陥を隠ぺいするために実施された「ヤミ改修」さえ骨抜きにされていたことが供述から裏付けられた。特捜本部は、こうした判断に元社長・河添克彦容疑者(67)(業務上過失致死容疑で逮捕)ら歴代首脳が関与した疑いがあるとみて調べている。

 これまでの調べによると、同社は1996年3月から5月にかけて、品質保証部長だった元執行役員・中神達郎容疑者(61)(同)をトップに「リコール検討会」などを開き、クラッチ本体を覆う「クラッチハウジング」のリコール(回収、無償交換)届け出を協議。「人身事故につながる重大欠陥」として経営陣に報告されたが、同社幹部らは「大した欠陥ではない」「ブランドイメージを損なう」などとして、リコールの届け出を見送り、ヤミ改修で対応することを決定した。

 ところが、実務担当者らの供述から、そのヤミ改修はほとんど行われていなかったことが判明。その理由について、品質保証部門のグループ長の1人は調べに対し、ヤミ改修の方法として対象車両の全ユーザーに呼びかける「呼び込み改修」を挙げ、「実施すれば、運送業者の業務に支障が出て嫌われるため、現実的でないと判断された」などと供述。さらに、「対象車両が広範な車種に及ぶため、膨大な費用がかかる」ことも理由だったとしているという。

 同社側は先月、「ザ・グレート」など83—99年製の大型車約7万5000台のリコールを届け出たが、既に廃車になった分を合わせたこの間の生産台数は約16万8000台。実際のヤミ改修の対象は相当数に上ったとみられる。

 クラッチ部品のヤミ改修を巡っては、実際に行われた場合でも、問題部品の周辺にガタつきがないかどうかを調べる程度で、部品の交換を伴わない形だけのものだったことが既に判明している。しかし、こうしたケースさえも数が少なく、ほとんどの対象車が欠陥状態のまま公道を走行し続けていたことになる。

 同部品の不具合発生件数は、リコールの是非が検討された96年5月までの6年間で38件だったが、その後、ヤミ改修が行われたとされる2000年7月までの4年間でも22件に上っており、改修の実態がほとんどなかったことを裏付けている。

 ◆「道義的責任ある」河添容疑者が供述◆

 河添容疑者はこれまでの調べに対し、「道義的な責任はある」などと供述していることが12日、わかった。しかし、「クラッチ部品に欠陥があったことは知らなかった」とし、欠陥と事故の因果関係については否認しているという。

 また、横浜地裁は同日、業務上過失致死容疑で送検された河添容疑者ら6人について、10日間の拘置を認める決定をした。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040613-00000001-yom-soci