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2004年06月12日(土) 03時08分

汚職捜査が続く日歯連、比例選へ候補擁立を一転断念読売新聞

 中央社会保険医療協議会(中医協)を巡る汚職事件で、前会長の臼田貞夫被告(73)らが起訴された「日本歯科医師会」(日歯)の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)は11日、東京都内で臨時評議員会を開き、7月の参院比例選に組織内候補を立てないことを決めた。

 「捜査が継続する中、選挙は戦えない」など反対意見が多数を占め、これまで6回連続で参院に送り出してきた職域代表の1人が途絶えた。

 この日の臨時評議員会では、汚職事件後に一新された執行部が、自民党公認の元厚生労働省課長補佐・笹井啓史(ひろふみ)氏(43)を支援する議案を提出した。新執行部が、前日までに地方組織の代表に電話で確認したところ、反対する組織は東京都など6組織だけで、笹井氏支援は揺るがないと見ていた。

 しかし、関係者によると、「選挙よりも連盟の改革が先だ」「東京地検の捜索を受けて以来、活動しておらず、勝ち目がない」「選挙後に捜査がどう展開するか分からない」など、反対意見が続出。そのたびに、「その通り」と大きな拍手がわき起こり、休憩で会議室を出てきた執行部の1人が、「だめかもしれない」とこぼす場面もあった。

 「歯科の現場の声を国政に伝えるため、職域代表は必要」など賛成意見も出たが、投票の結果、賛成28票、反対48票で擁立の見送りが決まった。

 この後、記者会見した日歯連の大久保満男会長(62)は、「笹井氏に国政に出てもらうことが、国民の健康維持につながると考えていた。苦渋の決断だった」と述べ、笹井氏は「組織としての決定に従う。私としては逆風の中で戦うつもりだった」と話した。

 笹井氏は現在、日大松戸歯学部助教授で、昨年7月に日歯連から推薦されたが、今年2月、日歯連が政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部の捜索を受け、活動を自粛していた。日歯連は1950年以降、参院選に組織内候補を擁立。86年からは3年ごとの参院比例選に毎回候補を立て、2001年の前回参院選では中原爽(そう)議員が2期目の当選を果たしている。

 ◆日本歯科医師連盟=1950年に前身となる政治結社が結成され、日本で最も古い政治団体の一つとされる。会員数は約5万人。自民党の政治資金団体「国民政治協会」に2002年までの5年間で計約26億円を寄付するなど、同党の有力な支持団体でもある。これまで会長は日歯会長が兼ねていたが、今回の事件を機に兼務はなくなった。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040611-00000315-yom-soci