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2004年06月11日(金) 17時25分

「カニ売らないか」稲垣元長官、議員時代からもうけ話朝日新聞

 「キャピタルインベストジャパン」の出資法違反事件で逮捕された元北海道・沖縄開発庁長官・稲垣実男容疑者(76)が、7期務めた衆院議員当時も、愛知県の地元選挙区の首長や支援者に「もうけ話がある」などと共同での事業を働きかけていたことが11日、関係者の話で分かった。実現した事業はほとんどなく、稲垣元長官は常に借金苦にあった。「もう一花咲かせようと思った」。調べに、稲垣元長官はそう答えたという。

 「フロリダのカニだ。一緒に売らないか? 絶対もうかるよ」

 稲垣元長官を初当選の頃から支援してきた愛知県内の町長宅に数年前、稲垣元長官が大きな発泡スチロールの容器を抱えて現れた。米国から帰国したばかりという元長官は、容器からあふれんばかりのカニを自慢げに見せた。町長は取り合わなかったが、別の機会にはロシア語で書かれた名刺を手に「シベリアのカニ」を勧めたという。

 町長は「彼は金集めが下手。いつも金に困っていた。それで怪しげな商売に手を出す。地元事務所には金融業者のような男たちが出入りしていた」と振り返る。

 長官時代の97年の閣僚資産公開には、預貯金350万円に対して、借入金は8250万円と記載されている。警視庁は現在の借金は10億円を超えるとみている。

 稲垣元長官は77年に初当選。最初に「副業」が注目されたのは3年後の80年だった。

 「議員宿舎に設置したテレックスが夜通し受信する音が聞こえる。原油取引でもしているのではないか」。私設秘書とされる人物に議員宿舎で原油の取引をさせていた疑惑を、衆院決算委員会で野党議員に追及された。

 厚生政務次官に就いた82年には、稲垣元長官が顧問を務めていた神奈川県のガラス製造会社の社長がもうけ話を持ちかけられた。議員会館を訪ねた社長に、稲垣元長官は「年金は金になるぞ。やってみないか」。社長は「専門外だし、うさんくさいと思って断った」と話す。

 特許の取得にも強い関心があった。91年から02年までに稲垣元長官名で取得した特許や実用新案は15件。介護用品から、脱臭や浄水作用のある火山軽岩石、米粉の即席めんまで幅広い。

 地元の知人には「特許を70持っている。東京への行き帰りの新幹線で考えればアイデアは二つも三つも出てくる」と話していたという。しかし実用化にこぎつけたものはほとんどなかった。(06/11 17:25)

http://www.asahi.com/national/update/0611/018.html