2004年06月10日(木) 00時00分

＜電脳人＞　高額な船上のネット 有元　美津世 （東京新聞）

　ヨーロッパにクルーズ旅行に行った。最近では、クルーズ船はどこもインターネットカフェを設け、インターネット回線を提供している。

　クルーズ中にインターネットにアクセスできるかどうかも、乗客にとってクルーズ船を選ぶ要素となるのだ。船が利用しているのは衛星回線。インターネットだけでなく、テレビや電話も衛星を利用している。

　インターネットアクセス料は一分間七十五セント（約八十二円）と、法外に高い。私は百分五十五ドルのプランを購入したが、数日で使い切ってしまった。莫大（ばくだい）な数のスパム（迷惑メール）を選り分けているだけで、十分くらいすぐにたってしまう。こんなことなら、二百五十分百ドルのプランを買うべきだった…。

　インターネットカフェ以外でも、ラウンジなどでは自分のノートパソコンからワイヤレスでアクセスできる。船によっては客室でのアクセスも可能だ。船から船外に電話をかけたり、ファクスを送ったりすることもでき、船外から電話をもらえるようフリーダイヤルも設けられている。ただし、客室からの電話は一分五ドル以上。そのため、着岸するたびに港の公衆電話には乗客や船員の行列ができる。

　十年以上前クルーズに行った時は、客室に電話などなかった。仕事で電話をする必要があり、船長に頼んで船長室からかけさせてもらわなければならなかった。それも一分十五ドルという信じられない料金を払って。それと比べれば安く便利になったと喜ぶべきか…。

　（ありもと・みつよ＝コンサルタント、米国在住）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20040610/ftu_____dgi_____002.shtml