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2004年06月09日(水) 00時00分

三菱自、文書廃棄も指示 クラッチ欠陥、作業実態も“ヤミ” 東京新聞

 三菱自動車(昨年一月に三菱ふそうトラック・バスに分社)製大型車のクラッチ系統部品の欠陥問題で、販売店へのヤミ改修指示文書に「本社への実施報告は不要」と記載されていたことが分かった。欠陥部品の改修状況を把握する上で、実施報告は不可欠だが、半面でヤミ改修実施の動かぬ「証拠」にもなる。国土交通省などは、同社が安全対策を二の次にヤミ改修の隠ぺいを優先した指示とみている。

 ヤミ改修は、車検時などに国交省や顧客に内密で行う欠陥修理。リコール(無料の回収・修理)に該当する欠陥をヤミ改修すると、道路運送車両法違反(届け出義務違反)になる。

 三菱ふそうが国交省や神奈川県警などに提出した指示文書は、A4判数ページ。二〇〇二年に山口県で大型車の死亡事故を起こしたクラッチハウジングという部品の欠陥について、一九九六年四月のリコール検討会で、リコールせずにヤミ改修で対応することが決まり、販売店などに文書で指示した。文書は、クラッチハウジングを新品に交換する手順などを詳述したほか「内容を理解して頂いた後、直ちに文書を廃棄願います」と記載。さらに「実施報告は不要です」と、改修結果報告を求めない異例の内容だった。

 この部品のヤミ改修は、二〇〇〇年七月のリコール隠し事件まで続いた。しかし、実施報告がないため、本当に改修されたのか点検だけなのかなど、作業の実態がいまだに分かっていない。

 今月二日に三菱自が公表した乗用車九十二件のヤミ改修の場合、証拠隠しの指示はなく、改修実施率のデータも残っているという。大型車のクラッチ部品について、同社はヤミ改修の隠ぺいを重視していたことになる。

 この部品をめぐるリコール検討会の議事録によると、会議は九六年三月にスタート。同五月まで計三回開かれ、大型車の技術や品質保証関連部門の部、課長級幹部ら約十人が参加した。

 この時点で既に三十件以上の部品破損事故が起こり、まとめの五月の会議で「放置すれば二〇〇五年に累計七十−八十件の破損事故になる」と予測していた。実際、〇三年秋までに六十七件の破損事故が起きている。

 クラッチハウジングの欠陥で、山口県の死亡事故を含む人身事故三件や車両火災三件が発生。社員の内部告発で、三菱ふそうは先月二十六日、生産ベースで約十六万八千台、実数で約七万五千台(海外分数万台を除く)を対象に国交省にリコールを届け出た。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040609/mng_____sya_____014.shtml