悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年06月08日(火) 03時06分

三菱自クラッチ欠陥、河添元社長ら立件へ読売新聞

 山口県で2002年10月、三菱自動車製大型車のクラッチ部品の欠陥によって男性運転手(当時39歳)が死亡した事故で、神奈川、山口両県警の共同特捜本部は、同社の河添克彦・元社長(67)ら元役員6人前後を業務上過失致死容疑で立件する方針を固め、近く本格捜査に乗り出す。

 いずれも2000年に発覚したリコール隠し事件当時の首脳らで、捜査当局は、歴代役員の申し送りでクラッチについても欠陥を把握しながら、安全対策を怠っていたことを重視、刑事責任追及が不可欠と判断したとみられる。

 立件対象とされているのは、河添元社長のほか、前三菱ふそうトラック・バス会長・宇佐美隆被告(63)(道路運送車両法違反の罪で起訴)ら元副社長、品質保証部門やトラック・バス部門の元役員。

 関係者によると、同社は1996年5月、クラッチ本体を覆うアルミ製カバー「クラッチハウジング」が強度不足から破損する不具合が多発していたため、リコール検討会を開いて対応を協議。品質保証部門の担当者から「人身事故を引き起こす可能性がある」などと報告された。しかし、当時の幹部は「公表すればブランドイメージを損なう」として「ヤミ改修」で対応することを決定した。

 結局、クラッチの欠陥は歴代役員の間で“最高機密”として申し送りされ、リコール隠し事件が発覚した際も、同社は緊急対策が必要な項目からこの欠陥を意図的に外し、運輸省(現国土交通省)の検査を免れていた。さらに、この事件をきっかけにヤミ改修も中止され、クラッチ部品の欠陥については対策が講じられないままとなった。捜査当局は、こうした欠陥の放置が、山口の死亡事故につながった疑いが強いとみている。

 同社は大型車の車軸周辺部品「ハブ」の欠陥についても放置。2002年1月には横浜市で大型トレーラーのタイヤが脱落し、直撃された母子3人が死傷する事故が発生。宇佐美被告ら7人がそれぞれ道路運送車両法違反、業務上過失致死傷容疑で逮捕され、うち5人が起訴されている。

 クラッチ部品の欠陥を巡っては、商用車部門を引き継いだ三菱ふそうトラック・バスが先月、8年間隠ぺいしていたことを認め、83—99年製造の大型車約7万5000台のリコール(回収、無償交換)を国交省に届け出ている。

 ◆リコール隠し事件=2000年7月に発覚。運輸省(当時)の検査で約1万300件の不具合情報を隠したとして、三菱自動車の元副社長ら4人と法人としての同社が道路運送車両法違反(虚偽報告)罪に問われ、それぞれ罰金20万円、40万円の略式命令を受け、当時の河添克彦社長が引責辞任した。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040608-00000001-yom-soci