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2004年06月06日(日) 03時04分

<小6同級生殺害>見えなかった心の闇 元担任語る毎日新聞

 学校は2人の少女を救えなかったのか。長崎県佐世保市の小6同級生殺害事件で、加害者の女児(11)を5年生の時に担任した女性教師が初めて毎日新聞の取材に応じた。「子供たちの心に闇があるとは思ってもいなかった」。クラスがバラバラになる中で、荒れていく女児のサインに気づけなかった。

 元担任は30代後半で、今も大久保小に勤めている。1学年1クラス。同級生によると、別の男性教師が担任だった4年生のクラスはまとまりがあったが、「5年生になって急にバラバラになった」という。学校で菓子を食べたり、授業を無視する。いじめ、担任への暴力も起きた。

 元担任は「精いっぱい私なりにやったつもり」と言いつつ、「うまくまとまらなかったのは事実。難しかった。私のせいと言われても仕方がない」と悔やむ。暴力を受けたことも「私が悪かった面もある」と語る。

 女児は5年生の2月、好きだったバスケットボール部を母親の意向で辞めた。そのころから授業を聞かず、ほおづえをついて居眠りをするようになった。だが、元担任は「私の知る範囲では、そういうことはなかった」。突然、ストレートパーマをかけてきたこともあったが、「ご両親も許していたんだろうから、彼女には何も尋ねなかった」という。

 女児は次第に荒れ、放課後に男子を追いかけ回して倒し、踏みつけた。「男子をこづく場面は見たが、それほど激しい感じではなかったので冗談の範囲」と受け止めた。

 女児の変化は見えなかったのか。「表情も明るかったし、文集を作る時も張り切っていた。私の前の彼女を見る限り、分からなかった」と振り返る。「子供たちが私に見せない部分は当然あるし、それでいいと思っていた。でも心に闇の一面があるなんて思ってもいなかった。それがいけなかったのかと……」

 事件にはとても責任を感じている。亡くなった御手洗怜美(さとみ)さん(12)はクラスのリーダーだった。「ミタッチ(怜美さんの愛称)だったら大丈夫という信頼感があった」。怜美さんはジャガイモが好物で、給食に出ると「私、これさえあれば生きていけるよ」と言って、みんなを笑わせた。その顔が忘れられない。

 長崎少年鑑別所に収容されている女児は5日、付添人弁護士と3回目の面会をした。弁護士から1時間程度、学校生活を中心に尋ねられたが、教師たちのことは一切話さなかったという。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040606-00000119-mai-soci