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2004年06月04日(金) 20時31分

テレ朝「TVタックル」で人権侵害、申し立て認め勧告読売新聞

 テレビ朝日のバラエティー番組「たけしのTVタックル」で名誉を傷つけられたとして、自民党の藤井孝男元運輸相が、BRC(放送と人権等権利に関する委員会)に権利侵害を申し立てていた問題で、BRCは4日、申し立てを認め、同局に対して社内体制の整備と正確な放送に努めるよう勧告した。

 BRCが公人に対する権利侵害を認めたのは初めて。

 問題となったのは昨年9月15日の「自民党総裁選挙と北朝鮮問題」を扱った放送。衆議院予算委員会で野党議員が拉致問題について質問した際、自民党総裁選に立候補していた藤井元運輸相が不規則発言ややじを飛ばしているような映像が放送された。

 この内容についてBRCは、<1>野党議員の質問の際、藤井・元運輸相は席に不在で不規則発言の事実はなく、この放送により、藤井元運輸相が拉致問題に消極的であるとの印象を視聴者に与えて社会的評価を低下させ、名誉を侵害した<2>映像は「めぐみさん拉致問題」「コメ支援問題」「不規則発言」からなるダイジェスト版を短縮編集したもので、意図的とまでは言えないが、注意義務を怠った重大な過失責任がある——などと判断した。

 同局は藤井元運輸相の抗議に対し、昨年10月6日の「TVタックル」などで謝罪放送をしたほか、幹部7人の減俸、けん責などの処分を行った。しかし、BRCは、「名誉回復措置が取られたとしても、原因を究明し、視聴者に対する説明責任と、同じ誤りを繰り返さないための社内体制の整備が必要」として勧告した。

 BRCは今回を含め4件の勧告を出しているが、公人の申し立てで勧告を出したのは初めて。飽戸弘委員長は、「BRC規約に公人を取り上げないとは書かれておらず、個人の人権侵害はケース・バイ・ケースで考える」と語った。

 勧告を受けて会見した藤井元運輸相は、「本決定の中でテレビ朝日の私個人に対する名誉回復措置は取られたと評価しているが、私の気持ちが全く無視されている以上、名誉回復措置がなされたとは思えない。説明責任の履行の中で被害者の心情に留意された対応を期待する」などと話した。

 テレビ朝日広報部は、「勧告を真摯(しんし)に受け止め、その趣旨を徹底する。今後は社内体制を整備し、人権及び放送倫理に十分配慮した正確な放送を通じて視聴者の信頼を得ていきたい」とのコメントを発表した。

http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20040604i112.htm