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2004年06月03日(木) 00時00分

ネットの匿名性悪用 同時進行、複数チケット“契約” 東京新聞

 「チケット二枚。前から八列目で連番」−。インターネットのチケット売買掲示板を悪用した十五歳少年二人による詐欺事件。少年たちは、ファン心理を突いた巧みな誘い文句とネットの匿名性を利用し、辻褄(つじつま)が合うよう「(秘)ノート」に犯行の詳細をメモしていた。 (中沢 佳子)

◆ファン心理突く

 「これ、儲(もう)かるよ」。同じ市立中学の同級生だった二人は、自宅のパソコンでチケット売買のネット掲示板を眺め、つぶやいた。人気歌手のコンサートチケットを求める書き込みがいくつもあった。一人が携帯電話にメールを打ち込んだ。

 「前から八列目。席は連番」。慎重だった被害者もつい心が動いた。

◆団地ポストで

 金の受け取りには知恵を絞った。選んだのは、鍵のない自宅近くの団地の集合ポスト。見知らぬ複数の団地住民宅を送付先にし、普通郵便で金を送るよう指定した。

 「妻に知られたくないので代金は姉の家へ」。顔が見えないのをいいことに既婚者を装った。だが、二人が回収する前に郵便を受け取った女性(47)が二月に泉署へ相談。事件が発覚した。

◆(秘)ノート

 主犯格とみられる泉区内の少年は、被害者のメールアドレスや売り物、代金などをノートに記録していた。「犯行は複数同時進行。誰に何を送るか忘れないためだろう」と県警。表紙には「(秘)ノート」とフェルトペンで太書きし、犯行に使うつもりだったのか、最近開設した少年名義の銀行口座の番号も記してあった。

 結局、犯行は昨年十一月からの四カ月で約三十件に上るとみられる。被害者は十五−二十九歳の若者だった。

◆全国に被害拡大

 県内では三月、出会い系サイトで交際相手を募り金を詐取したとして、横須賀市内の当時中三少女(15)が詐欺容疑などで逮捕されたばかり。匿名性の高いネットを悪用した犯罪が未成年に広まる現状に、県警も「ネットを介した犯罪は全国に被害が広がる。厳しく対処する」としている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20040603/lcl_____kgw_____001.shtml