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2004年06月03日(木) 02時50分

三菱自、乗用車も欠陥隠し 主力車種の大半「ヤミ改修」朝日新聞

 三菱自動車は2日、岡崎洋一郎会長が記者会見し、「パジェロ」などの主力車種で計26件の欠陥が明らかになったため、国内外で17車種・計約16万台について近く国土交通省にリコール(無償回収・修理)を届け出ると発表した。リコールを回避し、93〜97年に違法なヤミ改修を続けた新たな「リコール隠し」が社内調査でわかったため。同社は00年に大量のクレーム(不具合情報)隠しが発覚した際、旧運輸省にすべての情報を開示するよう求められたが、26件については公表せず、途中でヤミ改修すら取りやめ、対策を放置していたという。

 同社が過去3年間について調べた限り、死傷事故や物損事故は起きていないというが、死傷事故が相次いだ大型車に続き、乗用車でも欠陥が隠蔽(いんぺい)、放置されていたことが明らかになったことで、同社の安全意識の低さが改めて問題視されそうだ。

 岡崎会長は会見の冒頭「社会及び消費者の信頼を著しく損ない、深くおわびしたい」と陳謝、立ち上がり頭を下げた。

 説明によると93年5月〜97年9月に、ユーザーからの不具合情報や社内調査などで乗用車に30件の欠陥があることがわかった。

 具体的な内容は、95年製デリカ=後輪ブレーキのチューブがサスペンションと干渉して穴が開き、ブレーキが利かなくなる▽96年製ランサー、ミラージュ=エンジン内の潤滑油が足りず、エンジンが焼き付く▽97年製パジェロ=アクセルワイヤの取り付け具が破損、エンジン回転数が下がらなくなる▽92年製シグマ=前輪サスペンションの溶接が不十分で操縦不能▽97年製ギャラン=助手席エアバッグの部品の気密性が足りず、作動が遅くなる−−など。

 不具合はパジェロやギャランといった当時の主力車種から軽乗用車まで幅広く発生しており、パトカー用の乗用車も含まれていた。

 問題はユーザーからの苦情や社内の試験などで発覚。いずれもリコールが必要な欠陥だったが、同社は販売会社に対し、定期点検の際などに内密に修理する「ヤミ改修」を指示していた。

 しかし、97年10月に富士重工業が、主力車種の「レガシィ」など11車種約150万台について、エンジンなどの欠陥をヤミ改修していたことが発覚。この直後、三菱自はヤミ改修の中止を決めたという。その結果、改修されずに安全でない乗用車が走り続けることになった。30件のうち4件は途中でリコールされたが、26件は放置された。

 三菱自では00年、内部告発で大量のクレーム隠しが発覚。同社は60万台以上のリコールを届け出た。また、当時の幹部らと法人としての同社が道路運送車両法違反罪で略式起訴された。説明では、この際には98年4月以降に発生した不具合しか調査していなかった。今回は93年以降についても調査し、新たなヤミ改修が分かったという。

 車の欠陥修理については、安全性や環境保全の観点から道路運送車両法で定める保安基準を満たさない場合のリコールのほか、保安基準は満たしているものの、安全性に問題のある場合の「改善対策」、安全性に問題はないが改修が必要な「サービスキャンペーン」がある。三菱自はヤミ改修をしていた93年5月〜97年9月の間、改善対策が必要な6件と、サービスキャンペーンが必要な56件についても、国交省に届け出ずにヤミ改修をしていた。

 国交省はこれらの不具合についても、三菱自に再度の検証を求め、リコールに該当すると判断すれば届け出を求める。

    ◇

 リコール制度には、欠陥を公表することによって広く注意を喚起する目的がある。このため、道路運送車両法はメーカーに対し、設計・製造段階における欠陥が見つかった際はリコールを届け出るよう義務づけ、内密に回収・修理を行った場合は罰則を定めている。

 国土交通省は今回明らかになった三菱自動車のリコール隠しが時効にあたらないかどうか精査したうえで対応を検討する方針だ。

    ◇

 〈三菱自動車〉 70年に三菱重工業から独立した国内4位の自動車メーカー。03年度の売上高は2兆5194億円、世界販売台数は約152万台。従業員5万人弱。00年に独ダイムラークライスラーと提携、経営不振からの脱却をめざした。好転の兆しもあったが、米国市場での不振から再び低迷。三菱ふそうトラック・バスなどの不祥事が相次ぎ、04年4月にはダイムラーが追加支援を断念。三菱グループと民間ファンドの支援を受け5月、岡崎工場(愛知県)閉鎖などによる再建策を発表した。(06/03 01:07)

http://www.asahi.com/national/update/0602/035.html