2004年06月02日(水) 12時21分

米在住の元患者と和解　ハンセン病訴訟、海外は初（共同通信）

　ハンセン病国賠訴訟の原告の１人で、国内の療養所に入所せず米国に移住した７０代の女性の元患者＝鹿児島県出身＝と国の和解が２日までに、東京地裁（菅野博之裁判長）で成立した。国が５００万円の一時金を支払う内容で、国外在住の非入所者との和解は初めて。
　元患者は米軍政時代の沖縄でハンセン病と診断されたが、強制隔離や差別により家族への迷惑がかかることを恐れて１９６３年に渡米。米国の療養所に入った後に米国籍を取得し、現在はルイジアナ州で生活している。
　国側は当初「国外に逃れたため強制隔離の事実がない」と補償を拒否。弁護団は和解交渉で「日本国内の根強い差別や国の強制隔離政策で、帰りたくても帰れない特殊事情があった」と主張し、国が一時金支払いに応じた。（共同通信）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040602-00000088-kyodo-soci