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2004年06月01日(火) 03時07分

低濃度の環境ホルモン、哺乳類への影響確認できず読売新聞

 河川水などの環境に含まれる化学物質が、動物の生殖メカニズムなどに悪影響を及ぼすとされる「内分泌かく乱物質(環境ホルモン)」について、環境省は、実際の環境から検出されるような低濃度では哺乳(ほにゅう)類への明らかな影響は確認できないとする中間評価結果をまとめ、近く一般向けのパンフレットで公表する。

 ただ、メダカを使った試験では、工業用洗剤などに使われるノニルフェノールなど2つの化学物質が、オスの精巣に卵巣を作る「メス化現象」を引き起こすことが確認されており、同省は「生態系全体への影響を考えて、慎重に対処する必要がある」としている。

 試験では、ネズミとメダカをそれぞれ哺乳類と魚類の代表とし、内分泌への影響が大きいとされているトリブチルスズやフタル酸ジエチルなど19の物質について、実際の環境中で検出される濃度を餌や水に混ぜ、生殖や行動への悪影響を評価。ノニルフェノールと4オクチルフェノールという物質が、メダカでメス化を引き起こすことが確認されたが、ネズミでは認められなかった。

 また、環境ホルモンの影響で人間の男女の出生比が変化した可能性を指摘された関東地方などの地域を疫学調査したが、変化や関連性は認められなかった。

 同省は1998年に、環境ホルモンの疑いがある67種類の化学物質をリストアップ。内分泌かく乱の疑いが濃く、試験可能な物質について評価作業を始め、最初の結果が出た19物質についてパンフレットにまとめる。

 この評価結果について、千葉大医学部の森千里教授は「化学物質の哺乳類への毒性をネズミで調べる手法は妥当なものだ。ただし、これで人間への安全性が証明されたわけではない」と指摘している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040601-00000001-yom-soci