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2004年05月31日(月) 01時34分

5月31日付・読売社説(2)読売新聞

 [参院格差是正]「抜本改革にはだかる憲法の壁」

 七月の参院選は「違憲状態」で実施されることが確実になっった。参院各会派で作る「定数格差問題協議会」が、参院選挙区の格差是正を今国会では行わないことを確認したからだ。

 「一票の格差」訴訟に関する今年一月の最高裁判決は、三年前の前回参院選について最大五・〇六倍の格差を合憲とした。その一方で、格差を放置したまま次の参院選を実施すれば、「違憲判決となる余地は十分ある」と警告していた。

 協議会は、定数問題が二院制や選挙制度のあり方に直結しているため、時間をかけた議論が必要としている。選挙後に新協議機関が設置される見通しだ。

 新協議機関には、単なる定数調整にとどまらず、参院の役割や権限、選挙制度のあり方に踏み込んだ抜本改革案をまとめてもらいたい。可能な部分から三年後の参院選で実行に移せばよい。

 参院の選挙区選出議員は、都道府県を選挙区とし、三年ごとに半数を改選できるように二から八の偶数の定数が割り振られている。これを前提に、思い切った定数是正をするのは限界がある。

 協議会で、共産、社民両党は、都市部の定数を増やすべきだ、と主張した。だが、鳥取県の有権者は四十九万人、東京都は一千九万人。衆院並みに格差二倍未満の原則を適用すると、鳥取県の定数二に対し、東京都の定数は二十を超す。

 過疎県と隣接県との「合区」は、道州制にでもしない限り、反発する地元を説得できまい。最低定数を一にすれば、六年に一度しか投票できない選挙区が生まれ、「機会均等」に反する。

 比例代表一本にする方法もあるが、参院の「政党化」が一層進み、独自性が薄れる。各県代表と位置付け、定数を全選挙区同じにすると、投票価値の平等の原則を崩し、国会議員は「全国民を代表する」と定めた憲法四三条に抵触する。

 本来、参院に期待されているのは、衆院の行き過ぎた点を抑制し、足らざる点を補完し、国民の信頼を得られるように均衡を保つ機能だ。しかし、二大政党化が進む中で、参院は連立政権のキャスチングボートを握る存在となり、議院内閣制を著しく歪(ゆが)めている。

 斎藤参院議長時代の二〇〇〇年、議長の私的諮問機関が衆院での再議決要件緩和や、参院での首相指名権廃止案など、憲法改正を伴う抜本的な参院改革案をまとめた。読売新聞も一九九四年の憲法改正試案で、同じ提言をしている。

 自民党は来年、民主党は再来年、それぞれの憲法改正案を示すが、二院制のあり方は中心テーマの一つだ。新協議機関は、そのたたき台を示す責任がある。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040530ig91.htm