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2004年05月30日(日) 01時33分

5月30日付・読売社説(2)読売新聞

 [牛肉偽装事件]「『政・官・業』の根深い関係に迫れ」

 BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)対策として、国が実施した国産牛肉買い上げ事業を“食肉のドン”と呼ばれる大手業者が食い物にしていた。

 「全国同和食肉事業協同組合連合会」(全同食)専務理事など各業界団体の要職を務める浅田満被告が、牛肉偽装など不正を主導していたとして、大阪府警は三度目の逮捕に踏み切った。

 詐欺、補助金適正化法違反容疑での長期捜査で、これまでに浅田被告ら計十六人が起訴され、「政・官・業」の根深い関係が浮き彫りになってきた。

 不透明な政策決定過程は、なれ合いどころか、癒着そのものである。

 買い上げ事業は、わが国でBSE感染牛が確認されたことから、全頭検査が始まる前の国産牛肉を対象に210億円を投入したものだ。

 その三分の一以上の76億円分は、浅田被告が実権を握る業界団体を通じて買い上げられた。しかも、対象外の輸入肉や内臓、さらには全頭検査開始後の分まで含まれていた。

 そうした肉を浅田被告の関係企業が安く買い集め、利ざや稼ぎしていた疑いが強い、と府警は見ている。不正受給額は実に約50億円にのぼる。

 在庫処分をはかった雪印食品や日本ハムと比べても、今回のケースは悪質ぶりが際立つ。業界団体は、企業の個別利害を超えた公益団体としての性格を持つ。その業界団体が、不正の隠れみのになったのである。

 業界と一体化した消費者不在の食肉行政だけではなく、政治と行政の関係も極めて問題だ。

 買い上げ事業自体が、業界の要請を受けた農水族議員の後押しで始まった。政界と太いパイプを持つ浅田被告が買い上げ事業への参入を求めると、農水省は、全同食への事業委託を認めた。

 一方で、業界団体に加入していない業者が政治家を通じて農水省に自分の肉を買い上げるよう要望すると、農水省の担当者は浅田被告を紹介していた。

 事業の責任者だった農水省畜産部長は国家公務員の倫理規程に反し、業界団体側の接待を受けていた。

 農水相の私的諮問機関である「食肉流通問題調査検討委員会」は昨年六月に、買い上げ事業の経緯を検証した報告書を提出した。

 だが、食肉行政と業界の改革課題として、消費者からの信頼回復と政策決定の透明性確保を挙げているに過ぎない。

 こんな抽象的な言葉では誰も納得しない。やはり、捜査当局による徹底解明が必要だ。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040529ig91.htm