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2004年05月28日(金) 13時07分

元オウム幹部・井上被告に死刑 東京高裁、一審判決破棄朝日新聞

 地下鉄サリン事件など10の事件で殺人などの罪に問われた元オウム真理教幹部・井上嘉浩被告(34)の控訴審判決が28日、東京高裁であり、山田利夫裁判長は、無期懲役とした一審・東京地裁の判決を破棄し、検察側の求刑通り死刑を言い渡した。山田裁判長は、地下鉄事件での被告の役割を「総合調整役ともいうべき重要なもので、少なくともサリン散布役と同等の責任がある」と認定、後方支援にとどまるとした一審判決について「重要な誤りがある」と述べた。弁護側は判決を不服として直ちに最高裁に上告した。

 教団による一連の事件で、一審の無期懲役が覆ったのは初めて。死刑判決は13人目。

 判決は、地下鉄事件での被告の役割について、▽事前のリムジン車中の謀議でサリンの使用を発案した▽地下鉄に関する情報を提供し、実行役らの集合場所をあてがい、車を調達した▽散布役、送迎役に実行方法の細部を協議させた−−などと認定。被告が反省を深めて事件解明に協力してきたことを認めたが、「地下鉄事件は実に悲惨な結果をもたらし、それだけでも優に死刑に値する。諸事情を最大限考慮しても死刑を選択するほかない」と結論付けた。

 一審は00年6月、地下鉄サリン事件について、教団への強制捜査を回避するため、元代表・松本智津夫被告(49)=一審死刑、控訴=や故・村井秀夫元幹部らが共謀して計画したと認定。

 東京から山梨県上九一色村に向かうリムジン車内の謀議で、「井上被告がサリン散布を言いだしたことが事件の発端となった契機となった」としながらも、その後、果たした役割は「後方支援ないし連絡調整的な役割にとどまる」と述べ、「現場指揮役」とする検察側の主張を退けて死刑を回避した。

 井上被告は、教団「諜報(ちょうほう)省」の元トップで、松本被告の側近と言われた。しかし、逮捕後は積極的に取り調べに応じ、松本被告の公判でも地下鉄サリン事件直前の謀議の様子などを詳細に語った。

 〈井上被告が起訴された10事件〉

 (1)地下鉄サリン(殺人、殺人未遂)(2)浜口忠仁さんVX殺害(殺人)(3)水野昇さんVX襲撃(殺人未遂)(4)永岡弘行さんVX襲撃(同)(5)元信徒落田耕太郎さんリンチ殺害(殺人)(6)目黒公証役場事務長・仮谷清志さん監禁致死(逮捕監禁致死、死体損壊)(7)新宿駅地下街に青酸ガス発生装置設置(殺人未遂)(8)都庁に小包爆弾を郵送し職員襲撃(殺人未遂、爆発物取締罰則違反)(9)宗教学者の自宅マンション前で爆弾爆破(爆発物取締罰則違反)(10)教団施設に火炎びんを投げて被害を自作自演(火炎びん使用処罰法違反)(05/28 13:07)

http://www.asahi.com/national/update/0528/008.html