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2004年05月28日(金) 15時55分

オウム井上被告に死刑 一審「無期」を破棄 東京高裁判決産経新聞

 地下鉄サリン事件など十事件で殺人罪などに問われ、一審・東京地裁で無期懲役判決(求刑・死刑)を受けたオウム真理教元幹部、井上嘉浩被告(三四)の控訴審判決公判が二十八日、東京高裁で開かれた。山田利夫裁判長は「地下鉄サリン事件の遂行にあたり、総合調整を図る重要な役割を果たしており、実行役と同等の刑事責任を負う。それだけでも極刑を免れない」などとして一審判決を破棄し、死刑を言い渡した。弁護側は直ちに上告した。
 山田裁判長は、一審が「逮捕監禁罪の範囲にとどまる」とした目黒公証役場の元事務長、仮谷清志さん=当時(六八)=の監禁致死事件への井上被告について「逮捕監禁と死亡の間に因果関係がある」と判断。また、地下鉄サリン事件の役割についても「現場指揮者ではないものの、サリン使用の発案や、実行役や運転手役に細部を協議させるなど重要な役割を果たした」とした。
 井上被告については平成十二年六月、東京地裁が「一連の犯行で重要な役割を果たし刑事責任は重いが、実行行為をしていないことなどから、首謀者や実行役と同視しうるような責任を負わせられない」などとして無期懲役を言い渡し、検察側が控訴していた。
 控訴審で、検察側は「現場指揮者として重要な役割を果たしており、死刑以外に選択の余地はない」として改めて死刑を求めたのに対し、弁護側は「現場指揮者であることを示す具体的事実はない」などと反論。さらに「被告は一審の裁判長の『修行者ではなく、一人の人間として被害者のことを考え続けてほしい』との説諭を受けて、さらに反省を深めて苦しむ日々を送っている」などとも主張していた。
 一連のオウム事件の裁判では、二月二十七日に東京地裁で死刑を言い渡された麻原彰晃被告(四九)=本名・松本智津夫、控訴中=を含む計十二人に死刑が言い渡され、井上被告が十三人目。控訴審での死刑は六人目。(産経新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040528-00000025-san-soci